TOP PLAYER INTERVIEW #48
「カスタマーファーストに尽きる」 Indeedのマーケティングを統括する田尻祥一氏が語る大切なこと
大切にしているのはただひとつ「カスタマーファースト」
――田尻さんが経営やマーケティングにおいて大切にしているポイントを教えてください。
その答えはただひとつ「カスタマーファースト」です。まずはお客さまからスタートすることですね。これに尽きると思っています。
Indeedには、5つのコアバリューのうちのひとつに「Job seeker first」という言葉があります。Indeedは「求職者を第一に考える」という理念を持って設立され、プロダクトやビジネスに関する意思決定は、常に「求職者にとって何が最善か?」が重視されます。
これが面白い概念で、Indeedのすべてのオフィスで会議室に「求職者」に見立てたオレンジ色の椅子が置いてあります。そこに「求職者」が座っていて、あらゆる意思決定の場で「求職者」の視点を忘れないように議論し、常に考える姿勢が徹底されています。それによって、我々が考えていることは本当に「求職者」のためになっているのかを自問自答するという文化があるんです。
圧倒的なボリュームで世の中に貢献していきたい
――今後、Indeedではどのようなマーケティング施策を展開していくのでしょうか。
具体的な話はできませんが、大きく3つに方向性を整理できます。ひとつ目は、マーケティングや経営において最も大切にしている「カスタマーファースト」です。継続してカスタマーインサイトを見ながら、お客さま(求職者や採用企業)のいろいろな状態変化や瞬間(モーメント)を踏まえて、マーケティングのキャンペーンを設計していきたいと考えています。
2つ目はメディア展開です。テレビCM中心から、よりデジタルマーケティングやソーシャルメディアを強化し、さまざまなファネルを活用してバランスよくお客さまにアプローチしていきます。
3つ目は、マーケティングに「サイエンス」をもっと導入していくことです。マーケティングではよくサイエンスとアートという言い方をします。今までのIndeedでは面白いアイデアを中心に 、「アート」に 寄った施策を積極的に取り入れていました。しかし、今後は実施した施策の効果を 定量的に検証するなどの、統計的な分析も含めてサイエンスの視点を強化 し、質と効果の両方を高めていきたいと考えています。
Indeedで設定されている5つのバリューの中に「Data-driven」があります。これは可能な限り効果を測定し、感覚や直感ではなくデータで意思決定をするということを指しています。 そもそも組織として「Data-driven」の思想があるので、そこをよりしっかりと取り組んでいきたいと思います。
――最後に、Indeedとしてどのようなことを社会に発信していきたいのか、今後の展望をお聞かせください。
これからの働き方はより多様になっていくと思います。その中でIndeedの良さだと言えるポイントが2つあります。
ひとつは、サイト(求人検索エンジンIndeed)に訪れるトラフィックの圧倒的なボリューム感です。それが世界でも日本でもNo.1*なので、それだけ多くの求職者の方が訪れており、その分非常に多くの求人情報が 掲載されていると言えます。それだけいろいろな仕事や未来の可能性を提示できることが、Indeedが世の中に対して今後も貢献できることのひとつだと考えています。*出典:Comscore 2023年6月総訪問数
もうひとつは、テクノロジーの進化です。たとえば、Indeedには求職者一人ひとりの利用履歴に応じて、パーソナライズした求人情報を提案する機能があります。そうしたテクノロジーも、Indeedの得意とするところです。
今後の展望としては、この2つを軸に日本社会の求職者や、人材を採用しようとする企業などにさらに貢献していきたいと考えています。
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