TOP PLAYER INTERVIEW #49

JFRカードが選ぶ、クレジットカード会社の差別化と生き残りをかけた道とは?【代表取締役社長 二之部守氏】

 

複数のブランドを全体最適化する秘訣とは


――他社との差別化を図っていく中で、課題に感じられていることはありますか。

 当グループの大丸や松坂屋、PARCOなどの商業施設は、すべてブランディングやお客さまの層が異なるので、それら全体を最適化してシナジーを生むことが課題です。7つの地域それぞれにおいても提供価値の形は違うので、どうすれば各地域にいるお客さまのニーズに合わせた価値をもたらせるかが重要です。

 グループとしてお客さまにダイバーシティがあることは強みですが、一方で各ブランドへのニーズも異なれば、提供しているコンテンツや歴史も異なります。しかし、裏を返せば、これはビジネスチャンスであり、チャレンジできることも多いと考えています。
  

――そのような発想やアイデアは、社内のどのような取り組みから生まれるのでしょうか。

 それは社員が自発的に行う社内向けセミナーです。我々は300人もいない会社ですが、ここ4年間で100人ほど採用しているんです。カード業界が長い人や保険に詳しい人、広報担当、中にはニューロンマーケティングをずっと取り組んでいた人など、さまざまなバックグラウンドをもった人が社内にいます。それぞれの経験を持った社員が、自発的に社内セミナーなどを行なっているので、お互いに学び合える環境が影響していると思います。

 一方で、共通のバックグラウンドが少ないのは、これまで各人が培ってきたやり方が違うという側面もあり、大変な部分でもあります。ただし、社内にダイバーシティがあるからこそ、各事業やブランドでもダイバーシティを最大限に発揮できています。
 

「楽しむ」ことを大切にして、自分も会社も成長させる


――二之部さんは、金融業界を中心にキャリアを築いてきたと思います。経営やマーケティングにおいて大切にしているポイントは何でしょうか。
  

 それはひとつで、楽しむことです。私は毎月入社する社員全員に「楽しくなければ、仕事ではない」と話しています。

 それはもちろん私だけではなく、一緒に働く仲間が楽しいと思ってくれる、やりがいを持ってくれることを大切にしていますね。そうでなければ結局、自分も楽しくないんです。一緒に働く仲間が同じ方向、ゴールに向かって、ときには問題解決したりしながら、会社も個人も成長していくことが重要だと思います。

 また、どうすればお客さまに支持してもらえるのか、あるいは目標をどうすれば達成できるのかをしっかり考えて突き詰めることも大切です。簡単なことではありませんが、会社という組織やチームで同じ理解をもって協力すれば、その人数以上の力が発揮できるようになるんです。もちろんその途中には、寄り道や失敗、紆余曲折もありますが、それでもあらゆる側面で考え抜いて挫けずに我々の目指すところへ到達しようと考えています。

――二之部さん自身が楽しいと感じる瞬間はどんなときでしょうか?

 私が楽しいと感じることは3つです。ひとつ目は、お客さまに感謝されることです。また、取引先から支持されることも嬉しいですし、やりがいにつながります。2つ目は、勝負に勝つことです。たとえば、予算を達成する、プロジェクトを完成させる、利益を上げるといったことがそれに当たります。勝つことは大変ですが、それだけやりがいがあります。3つ目は、自分の成長が実感できることです。昨日できなかったことが、今日できるようになることは成長につながるので、やりがいや楽しさに通じていると思います。

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