TOP PLAYER INTERVIEW #50

元DMM.comマーケティング部長の武井慎吾氏が秋葉原で寿司屋を開いた理由

 

寿司屋「鮨あきは」のマーケティング戦略


――「鮨あきは」という店舗名などこだわりやマーケティング戦略について教えてください。

 店舗名の由来は、シンプルに「秋葉原」からとりました。「秋葉原」にある「あきは」は、お客さまにもわかりやすく、検索するときのサジェスト効果や、引っかかりも副次的に狙っています。

 一応もうひとつ由来はあって…某人気ゲームのヒロインの名前から文字っています。公表はしていないのですが、SNSでも察した方が反応してくれていて、1つ秋葉原らしいコミュニケーションができているかと思います。

 お客さまのターゲットは、4つの層を設定しています。ひとつ目は地場の人です。秋葉原の近くには大学、大学病院も多く存在し、ゆとりある生活をしている高齢者もいれば、都内有数の公立小学校に子どもを通わせている教育熱心な世帯も多くいます。また最近ですとVTuberやYouTuberなど配信で収益を得た若いクリエイターも住んでいます。

 2つ目が秋葉原周辺のオフィスで働く人です。ビジネスパーソンにとって接待や会食で使えるお店にしたいと考えています。3つ目が繁華街の人です。繁華街としてのお店の需要もあると捉えています。

 4つ目が外国人観光客です。秋葉原に宿泊する外国人観光客に寿司の需要はありますが、彼らはその需要を秋葉原ではなく、銀座や麻布など別のエリアで満たしています。中には宿泊地でそのまま食事も完結させたい層が一定いると考えており、現に当店は事前予約制ですが、飛び込みでいらっしゃる外国人観光客もいらっしゃいます。

 前述の通り、秋葉原周辺にはビジネスの会食で使える飲食店や外国人観光客が目的にするような飲食店が多くありません。これらを踏まえ、お店のコンセプトを「高級をカジュアルに。」とし、提供内容や価格設定を行っております。

 価格設定は、寿司業界における現在のトレンド、寿司以外も含めた周辺店舗の単価、そして諸々の相場など踏まえ、当初は1.1万円(税込)で設定していました。ただし、仕入れにはこだわっており、有名高級店・ミシュラン店に引けを取らない素材を仕入れておりますので、高級店であれば2万~3万円の価値があるものを提供しています。すると面白いことに、お客さまから価値に見合うように値上げしてほしいと言われるようになり、9月からはコースの内容をアップデートしつつ、1万3200円(税込)で提供しています。
  

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