TOP PLAYER INTERVIEW #52
新卒1年目で公式X(旧Twitter)担当。人気のわかさ生活アカウントは、どうフォロワー数を伸ばしたのか
コンテンツは「共感」「愛着」「意外性」を意識
―― 投稿内容が他のアカウントと異なるユニークな要素がありますが、独⾃性を保つためにどのような⼯夫をしていますか。
確かに、「他社とは毛色が違う」「独特」などと言われることが多いですね。主に意識しているのは、「共感」「愛着」「意外性」の3点です。これも最初から明確に意識していたわけではなく、やってきたことを言葉にするとこの3つになったという順番です。
工夫としては、よくある「お昼ご飯で○○食べました」「休みの日にここに行きました」といった、主語が「中の人」個人になっている投稿はしないようにしています。あくまでわかさ生活社内の運営者として、会社をどこかに連想できることを意識しています。
また、あまり他社の投稿を見ないように心がけてもいますね。自分視点を大切にし、いち消費者として自分がフォローするアカウントを作りたいと考えています。
――「わかさ⽣活 広報部」の投稿には多くのいいねやリポストがされています。フォロワーのエンゲージメントを⾼めるために意識しているポイントは何でしょうか。
日々の運用や投稿の際に大事にしているのは、企業からの一方的な発信をしないことです。そのため投稿も説明口調が多くなっています。
また、初見でもわかりやすい投稿を心がけています。たとえば、当社のブルーベリーのキャラクターは「ブルブルくん」という名前ですが、初見の人にいきなり「ブルブルくん」と言われても何のことかわからないだろうと思います。なので「自社キャラクターのブルブルくん」と記載して初見の人でも引っ掛かりなく伝わるようにしています。
もう1つ特徴として、私が馬の被り物をしている点があります。当初はブルブルくんのぬいぐるみだけで頑張っていたのですが、動きがないとネタが尽きてきますし、フォロワーの共感を得るために「人」は大事な要素です。
いろいろと考えた結果、自分の「新卒」という属性を活用しようと考えました。新卒社員というのは、学生から見れば、企業の中で一番身近な存在ですし、大多数の社会人が通る道です。幅広い世代に共感を呼べる属性だと思ったので、顔がわからない被り物をして自分が出ることにしたのです。
当社の事業から普通に考えれば、ブルーベリーの被り物になると思いますが、あえて全然関係のない馬にしたのは、見る方の頭に「?」を浮かばせたいという狙いがありました。被り物で出始めてすぐの頃は、いくつか批判的なコメントを見ましたが、続ける中で、自然とそういったコメントはなくなっていきましたね。
―― フォロワーとの対話を促進する工夫は何ですか。
言語化が難しいのですが、投稿に余白を与えることでしょうか。画像やテキストにツッコミを入れられる部分や触れたくなる要素を常に意識しています。また、特定のフォロワーと何ターンも返信をやり取りするようなことは控えています。
たとえば、居酒屋やバーで店主と常連客がずっと話し続けていたら新規のお客さんは入りづらいですよね。そういう状況がX上でつくられてしまうのは避けたいと考えています。