TOP PLAYER INTERVIEW #58

ドコモが流通小売企業に向けて提供するリテールDXプログラムの真価とは?

 

ドコモの持つデータの可能性に惹かれ、電通から転職


――石橋さんは、電通にてドコモに出向した経験などを経て、2022年7月より現職のマーケティングイノベーション部長に就任しました。ドコモへの入社理由を教えてください。

 iモード時代のドコモは、回線契約者から得られたデータを回線契約者に提供するサービスのために利活用していました。その後、スマートフォンの時代になりロイヤリティプログラムをオープン化しました。それに伴い、加盟店にはロイヤリティプログラムのポイントや決済、そしてデータもオープン化し、マーケティングとしても利活用してもらえるようにしました。

 ドコモは、GAFAが持っているようなWeb上の行動データに加え、回線契約者の日常生活に紐づくデータも大量に保有していて、その中にはデジタル上のデータだけでなくリアルな接点でのデータも多く含まれています。マーケティングDXの観点から、私はこれらのデータの利活用に非常に大きな可能性を感じ、その事業を自ら手掛けたいと強く思い転職を決意しました。
  
 

最も大事にすべきなのは、エンドユーザーの体験価値


――石橋さんが経営やマーケティングにおいて、特に重視しているポイントを教えてください。

 一番大事にしているのは、エンドユーザーの体験価値です。よくあるのは、「これができたらすごいよね」「あれができるからやろう」など、できることから考えてしまうパターンです。しかし、それを喜ぶ人や支持する人が誰もいなければ意味がないわけです。エンドユーザーである消費者が支持しないことは、もちろんクライアントも支持しません。

 そのため、エンドユーザーの嬉しい体験や楽しい体験をどのようにつくるかから考え、そのためにデータを活用することが最も重要だと考えています。

――最後に、今後の展望について教えてください。

 我々が持っているデータは、人の日常生活のリアルがそのままデータベースになっているので、非常に多様な使い道があると考えています。そのため企業のマーケティングプロモーションやマーケティングコミュニケーションに限らず、医療・ヘルスケアや行政などのDXにも活用できるポテンシャルがあると考えています。

 当社の井伊基之(代表取締役社長)もよく言っていますが、最終的には日本社会の進化を支えるデータプラットフォーマーとして、社会のOSになることを目指しているので、私がそこまで取り組んでいきたいと思っています。
  
他の連載記事:
TOP PLAYER INTERVIEW の記事一覧
  • 前のページ
  • 1
  • 2

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録