アジェンダノート編集部より、新年のご挨拶

2024年はAIを使いこなし、マーケターの本質的な価値を見定めよう【アジェンダノート編集部】

 

より本質的なマーケターの役割と価値が求められる


 2023年を振り返ると、新型コロナウイルスによる制限が緩和され、未曾有の危機から本格的に抜け出したと感じられる1年でした。インバウンドを含む旅行や外食など様々な業界の復活が見られ、消費水準や人々の移動がコロナ以前に回復する傾向にありました。一方で、国際情勢は依然として不安定で、物価高や歴史的な円安が続くなど、日本に限らず世界中が揺れ動く激動の時代を迎えています。これらの動きは、本年もビジネスへ影響を及ぼすと予想されます。

 新型コロナから本格的に抜け出したことは、昨年5月に当社が主催した日本最高峰の合宿型マーケティングカンファレンス「マーケティングアジェンダ2023(主催:ナノベーション)」の参加人数にも表れています。沖縄県・読谷村に国内外のトップマーケター約400人が集結し、コロナ以前の規模に回復しました。人と直接会い、繋がることの大切さが求められていることを再認識する機会となりました。
  
マーケティングアジェンダ2023の様子

 また2023年、マーケティング業界に大きな衝撃を与えた出来事のひとつは、ChatGPTをはじめとする生成AIなどテクノロジーの進化です。特に生成AIの登場は、B2Bマーケティングをテーマにしたカンファレンス「B2Bアジェンダ2023(主催:ナノベーション)」のキーノートのテーマのひとつにもなりました。マーケティングを取り巻く環境が大きく変化する中で、「実務と管理を分けて専門性を高める役割分担」や「生成AIによる瞬時の画像制作が実現できるようになりマーケター自らがデザインを担当する体制」など、マーケターに求められる価値が今後どのように変化していくのかが議論されました。

 さらに昨年、米国・マイアミで初開催されたグローバルマーケティングカンファレンス「POSSIBLE(ポッシブル)」(主催:Beyond Ordinary Events, Inc.)では、「人はAIと戦っているのではなく、AIを使う人間と戦っているのだ。この認識を持たないと、間違った選択をしてしまう」というキーメッセージが提示されました。このメッセージは、AIだけでなく、それを取り巻く環境にも目を向ける重要性を教えてくれます。

 そのほかのトピックとしては、2023年10月からステルスマーケティングが景品表示法違反となり規制が開始されたほか、TwitterがXへと名称が変わったことも注目を集めました。
 

実行し続けることの大切さ


 2023年に開催されたカンファレンスの中から、2024年においても重要になる考え方を2つ紹介します。1つ目は、さきほど触れた「B2Bアジェンダ2023」で、みずほフィナンシャルグループでグループCPO(Chief People Officer)兼 グループCCuO(Chief Culture Officer)として、マーケター出身でありながら、現在は人事と企業文化の変革に挑戦する秋田夏実氏の発言です。「マーケティングも人事も、理解すべき対象は『人』です。外部であればお客さま、内部であれば社員を対象にデータをフル活用してインサイトをしっかり深掘りし、新たな価値を共創することが共通点となります」と話し、マーケティングでも人事でも重要となるのは、データを活用しながら「人」のインサイトに注目することだと強調しました。

 その上で、「マーケターは何者にもなれる可能性を持っているのです。顧客は誰で何を大事にしているか、その人が持つ潜在的なニーズは何なのか。そして誰に何を、どう伝えて、どのような変化を起こしたいか。そして、それをどう継続していくのか」(秋田氏)と続け、マーケターの持つ能力がマーケティングだけではなく別の領域で新しい役割も担うことができるという可能性について言及しました。
  
みずほフィナンシャルグループ 執行役 グループCPO 兼 グループCCuOの秋田夏実氏

 2つ目として、当社が主催したカンファレンスを振り返ると、昨年は「実行の大切さ」が語られた年でもあったように考えます。5月に開催された「マーケティングアジェンダ2023」では、ファミリーマート エグゼクティブ・ディレクター チーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)の足立光氏が「アイデアは発見よりも実行のほうが大事」というメッセージを発しました。

 さらに、同カンファレンスでスシローを展開するFOOD & LIFE COMPANIES 代表取締役社長CEO 水留浩一氏は、2015年に当時郊外店中心の業態だったスシローには限界があると感じ、都市型店舗への挑戦やM&A、新ブランドの確立、海外展開など大きな方針転換を行いました。当時を振り返り「とにかくやるという姿勢で都市型店舗に挑戦した」「失敗したら変えれば良い、とシンプルに考える。難しく考えずに、やってみないと分からない」と話し、実行して確認するというサイクルの重要性を伝えました。
   (左から)ファミリーマート エグゼクティブ・ディレクター チーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)足立光氏、FOOD & LIFE COMPANIES 代表取締役社長CEO 水留浩一氏

 2024年は、AIを含むテクノロジーがさらに進化し、瞬時に様々なクリエイティブ案が生まれたり、オペレーション関連の仕事が大幅に減少したりすることで、マーケターの本質的な役割と価値がより一層求められる年となるでしょう。また、パリオリンピック・パラリンピックの開催や米国大統領選挙の実施、約20年ぶりに新紙幣の刷新、2023年と比較して祝日休みや連休が多いカレンダーとなっていることなど、マーケットが大きく動く要因になるトレンドをマーケターは視野に入れるべきです。その中で、AIを使いこなし、データを活用しながら人間にしかできない価値を追求し、失敗を恐れずにマーケティング施策を実行し続けることで、混沌とした時代を乗り越えられるはずです。本年は、AIを使いこなしながらマーケターの本質と新たな可能性を追求し、マーケティング戦略をいかに実行し続けられるかによって、大きな差が生まれる年になると感じています。

「アジェンダノート」は引き続き、マーケターにとって飛躍の1年になるようビジネスの成長に役立つ情報をタイムリーに届けていきます。皆さまにとって、素晴らしい年となることを祈念しています。

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