TOP PLAYER INTERVIEW #60

ネスレ日本「キットカット」の大胆な戦略、大幅リニューアルで目指す「史上最高」の成果【ネスレ 村岡慎太郎】

 

キットカットにしか提供でき得ない価値は何か


――村岡さんはキットカットの担当前に1年間スイスの本社に赴任していました(参考:村岡さんのスイス時代の取り組みをまとめた連載「グローバルガイドライン作成に、英語に奮闘中!スイスの「社窓」から」)。その経験が今回の企画に活きたことはありましたか。

 プロジェクトを進める中でグローバルメンバーに相談するなど、本社で得た人脈をすごく活用しました。たとえば、デジタル広告のクリエイティブをどう改善すれば、より効果的にできるのかをグローバルのチームに確認しながら進めていきました。

 スイス本社には、いろいろな国から集まったグローバルの知見が蓄積されています。それをフルに活用しないともったいないですし、それを活用できるのはネスレ日本の非常に大きなアドバンテージだと思っています。POPの細かいつくり込みや見せ方などの知見もすごく活用しましたね。

――村岡さんがマーケティングや経営において大切にしていることはありますか。

 それは「消費者ファースト」です。お客さまにどうすれば、喜んでいただけるのかをいつも大前提のこととして考えています。その上で、「キットカットにしか提供できない価値は何か」を真剣に考えます。それはブランドの価値もそうですし、それを最大限に伝えるタイミングやプロモーションも同じです。裏を返せば、他のブランドでも成り立つようなコミュニケーションやクリエイティブにしないということに、すごく注意しています。

 あとは仕事へのコミットメントですね。マーケティングという仕事は、数字に責任を負う部署です。その数字を達成することから揺らがないよう、とにかくコミットメントすることを大事にしています。

――今後のキットカットのマーケティングの方針や展望を教えてください。

 ビジョンにも掲げているように、「日本のお客様に最も愛されるチョコレートブランドになる」を達成するために、引き続きいろいろなアクションを取っていきたいと思います。そのため「キットカット史上最高」のプロジェクトから、これから控えているプロモーションに関しても、オリジナルである「キットカット ミニ」を中心にどうしていくかをチーム一丸となって真剣に考えていきます。
  
他の連載記事:
TOP PLAYER INTERVIEW の記事一覧

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録