TOP PLAYER INTERVIEW #61

外資系広告会社、Googleを経てDeNAライブ配信「Pococha」 CMOに就任。キャリア選択で考えた条件

 

コミュニケーションを通し、ライブ配信に対する価値観を変えたい


――村口さんが、マーケティングや経営に携わるにあたって大切にしていることは何ですか。

 やはり「真実」を大事にすることと、「本来のゴール」は何かを追求することです。また、戦術においては、肌触りのある施策を展開したいと思っています。というのも、ロジックを積み上げれば正しいものはできますが、それが必ずしも人々に受け入れられるとは限らないからです。

 有名な戦略プランナーの言葉に「ロジックをマジックにする」がありますが、人々に伝わる施策にするためには左脳と右脳の融合が必要です。ロジックで検証しながらも、その先にあるゴールやアイデアはマジック(論理だけでは生み出せないもの)にしなければいけないと考えています。
 

――最後に、今後のPocochaにおけるマーケティングの展望を教えてください。

 まずは、Pococha発でライブ配信そのものの価値を再定義したいと考えています。Pocochaには、従来のタレントのような人気者を応援していくだけでなく、ミドルクラスやアマチュアのクリエイターが自分の好きな分野で小さなコミュニティを形成できるという価値があります。それを世の中に伝えたいです。

 最近はPVやimp(impression:投稿や広告が表示された回数)のような広さ を重視する価値観が主流で すが、メディアを視聴する感覚が強い ライブ配信の従来のイメージとも共通します。ライブ配信を”視聴する”から”参加する”意識にシフトさせていくというPocochaのコミュニケーションを通じて、もっと関係やコンテキストの深さを重視する価値観を提示していきたいです。

 また、Pocochaは大金が1度に稼げるものではありませんが、配信を続けることで 月10万円程度を稼ぐことは難しくない システムになっています。それによって、ライバーが職業としても成り立つということも伝えていきたいですね。

 また、マーケティングにおいてはこうしたゴールに向けたKPIを設定し、一つひとつの施策を実行して検証していくというプロジェクトマネジメントも同時に導入したいと考えています。

――本日は、貴重なお話ありがとうございました。
  
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