TOP PLAYER INTERVIEW #69
人気ゲーム『桃鉄』学校への無償提供でα世代を取り込む、累計販売本数400万本突破に隠されたマーケティング戦略
『桃鉄』の体験を世界へ
最後に、『桃太郎電鉄』というタイトルの今後について、岡村氏は2つの方向での展開を考えているという。
「まずひとつは垂直方向への展開です。次回作の制作はもちろん、50年先を目指すためのシリーズの展開をしていきます。もうひとつは、水平方向への展開です。『桃鉄 教育版』の取り組みに代表される活用幅の広がりに加え、海外市場への進出にもすでに動き出しています。まずはアジア圏を中心にローカライズした桃鉄を届け、その後はアジアに限らず北米や欧州などワールドワイドに展開させていきたいと構想しています」と岡村氏は今後の展望について語る。
「桃鉄」の遊び方は普遍的だが、海外ではまだあまり多く知られていない。世界中で「桃鉄」をプレーしてもらうためには、その面白さを理解してもらえるような仕組みも必要だ。「桃鉄」は、よく知らない人がプレーすると、サイコロ振って進むだけのただの「すごろく」で終わってしまう可能性がある。そこにいかに「思い出となるような体験」を付与し、世界で受け入れられるローカライズをできるかが課題であると岡村氏は考える。
2024年2月、コナミデジタルエンタテインメントは繫体字版の桃鉄を制作し、台北ゲームショウに出展し、好評を博した。現在は最適なタイミングを調整している段階だという。今後、垂直・水平の2つの方向に、多角展開していく『桃太郎電鉄』は、まだまだ挑戦と進化の途上である。
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