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すかいらーくが新ポイント制度を導入、店舗DXからCX・EX向上への切り札「すかいらーくポイント」の全貌
心地よい体験を届けるために
――具体的に、お客さまはどのようなメリットやパーソナライズされた体験ができるのでしょうか。
まずは一般的なロイヤリティプログラムとして、すかいらーくアプリを通じてパーソナライズされたクーポンやレコメンド機能、メルマガの配信などを行っていきます。また、店舗DXで推進したデジタルメニューブックに対して喫食傾向に合わせたメニューの表示や動画コンテンツの表示、広告配信などにも取り組んでいきます。食事中の1時間という長時間接触できるメディアはあまりないと思うので、その強みを活かしてコンテンツをきちんと厳選しながら配信していく予定です。
さらに、将来的にはネコ型配膳ロボットがお客さまに合わせて会話をしたり、店舗環境の照明や音楽などもパーソナライズした空間をつくり出したりすることにも取り組んでいきたいと考えています。このような取り組みにより、ブランドである店舗に対して「コミュニティ」的な所属意識を持ってもらえるような体験を届けていき、ファンになってもらうという狙いです。
我々は年間、約3億人のお客さまに来店していただいています。まずは、これらの既存のお客さまに対してパーソナライズされたサービスを提供していきます。我々は多彩なブランドを持ち、国内に約2600店舗あるので「すかいらーくポイント」を使える店舗が圧倒的に多い点も強みになります。ガストやバーミヤンのような日常的に利用していただいているブランド以外にも、ハレの日の需要が多いブランドでの利用など、グループ全体としてさまざまなブランドを横断して来店していただけるきっかけになると考えています。
他社の飲食店と比較しても優位性があると思いますし、我々だからこそできる取り組みだと考えています。このような取り組みを通して、長期的にお客さまにとって心地のよい体験を高めることを前提とした上で取り組んでいきます。
――「すかいらーくポイント」の導入は、貴社の経営やマーケティング戦略においてどのような位置付けになるのでしょうか。
当社は2024年度、本部の施策を店舗に徹底させるという本部主導型の経営スタイルから、「1店1店を主体とする店舗中心経営」に移行するという方針に大きく舵をきりました。お客さまに心地よい体験を届けることを実現するためには、やはり店舗での体験が非常に重要です。いかに本部で素晴らしい商品をつくってプロモーションを行っても、店舗での体験が悪いとお客さまは繰り返し利用していただけません。
お客さまに本当にファンになってもらうためには、やはり店舗中心の戦略が必要だと考えています。そのための取り組みのひとつとして、店舗主導でお客さま一人ひとりにパーソナライズした体験を届けるための「すかいらーくポイント」があると考えています。また、我々はほとんどの店舗を直営で運営しており、お客さまの求めていることを素早く提供したいというカルチャーができています。そのため、店舗主導型の経営が実現できると思います。
――最後に、今後の展望について教えてください。
物価高や原材料費の高騰で外食産業が大きく揺れ動く厳しい状況で、当社が選ばれるレストランになるためには、お客さまに本当に心地よい体験をしていただくことが重要であると考えています。そのために「すかいらーくポイント」を導入し、お客さまを深く理解することが重要だと思います。お客さまの満足体験を把握することにより、次につなげるような施策を具体的に打てるようになり、来店頻度も上げることができると考えています。
もちろん私が管轄する商品開発や販促活動にも大きなインパクトを及ぼすと思いますので、これまでよりも細分化されパーソナライズした情報やサービスをお客さまの求めるタイミングで提供することにつなげていき、当社の今後のさまざまな施策に活かしていきます。
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