CATCH THE RISING STAR #11
ポーラ「美しさは十人十色」に共感 若年層向けと高価格帯、2ブランドのコミュニケーションを担う若きマーケター【大田 桃子氏】
マーケターの仕事に「終わり」はない
―― プロモーションを展開するうえで普段から心がけていることや、課題に感じることはありますか。
やはりブランドに振り向いていただきたいお客さま、つまりターゲットと呼ばれる方々が何に関心を持っていて、どこに不満を抱えているのかを常に追いかけて理解したいと意識しています。いわゆるソーシャルリスニングで、ターゲットの方々がInstagramやXでどんなことを発信されているかは普段からよく見ていますし、化粧品を紹介する YouTubeでは、コメント欄にリアルな悩みが書かれている場合も多いので勉強になります。B.A.のように自分より少し上の世代がターゲットのブランドなら、母などに話を聞きにいって、戦略の参考にすることもあります。
ただ、お客さまを理解するということは、基本でありながらすごく難しいと痛感していて、そこがマーケターとしての手腕を問われる部分なのだと思います。3年目に入って、会社やブランド、商品の知識はついてきましたが、一方で、気づいたら企業目線、売り手目線になってしまって、本当に生活者が何を求めているかは、相当に意識しないと気づけないし、もっとそこをつかめるマーケターになりたいです。
普段の生活の中でも、何か新しいものを買ったと誰かから聞くと「どうしてそれを買おうと思ったんですか」「何を見て買うと決めたんですか」などと、深掘りしてしまう癖がついてしまいました。そういうところから少しずつ、顧客理解を深めていきたいですね。
―― SNS上の膨大なコメントや、普段の会話の中から小さな糸口を見つけ出そうと、コツコツ努力されている姿が思い浮かびますね。
自分の性格が影響しているかもしれません。幼い頃から負けず嫌いで、やると決めたことに 対しては、まっすぐ愚直に努力し続けたり、どうしたらもっとうまくできるかと根気強く考えたりするのは得意です。
マーケティングって、常に移り変わる世の中やお客さまのことを理解して、まだ言語化されていない価値や、欲しいものをしっかり汲み取って、そこに沿うような形で出していくことで、「そうそう、これが欲しかったんだよ」と言っていただけることが大事だと思っています。ということは、マーケターの仕事って「終わり」がない。そうなると、自分のこの、ひとつのことを粘り強く突き詰めて、考え続けられる性格は、マーケティングの仕事に少なからず生かせているのかな、と感じます。
―― 今後の目標を聞かせていただけますか。
今年新たに担当になったB.A.というブランドは比較的、高価格帯で、会社の中でも重要なブランドになります。その価値をお客さまにどう伝えていくかというブランドコミュニケーションは、若年層向けのディエム クルールとはまた別のアプローチになると思うので、真摯にお客さまのインサイトの理解に取り組み、ブランドへの「好き」や「共感」につなげていきたいです。
長期的な目標で言うと、先ほどもお話したように、世の中に求められているけれど、まだ世の中には無い商品を生み出すことや、価値の提案を行うことがマーケティングの核心だと思うので、そういった新商品の企画やコミュニケーションにも携われたらすごく嬉しいなと思います。
―― 本日はありがとうございました。
【上司の視点】マーケターとしてありたい姿を目指して
ポーラ ブランドコミュニケーション部 部長
渡邉 和子 氏
渡邉 和子 氏
現在のチームで最も若手ですが、大田さん自身が描いているマーケターのありたい姿に近づく為に、必要な情報収集を主体的におこない、学びや社外との関係性づくりに取り組み、それを仕事に活用しています。
その前向きかつ素直な姿勢が本人の成長につながっていることはもちろん、チーム全体の雰囲気やアウトプットの質の向上にも影響を及ぼしている点で、チームにとって大切な存在です。
現業務では、ブランド・マーケティング戦略立案からプロモーション企画・実行、事業部との連携まで広範囲かつ統合的なマーケティング業務に従事しています。
年次に関係なく予算も責任も大きい業務を任せているのは、会社としての期待の現れです。経験のある社内外の関係者と向き合っていく中で、「壁」にぶつかる場面はこれから何度もあると思います。自分なりの物事の見方や感受性に自信を持ち、個性を磨いていくことで、周囲に好影響や気づき・変化を生み出す存在になることを期待しています。
マーケターとしての自身のありたい姿の実現を目指しながら、会社の目指すゴールと一致させリーダーシップを発揮する存在になって欲しいです。
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