CATCH THE RISING STAR #13
筋金入りのVR・メタバース好き3年目マーケターがKDDIで思い描く未来【出戸紫音氏】
メタバースやXRが広がった世界を見てみたい
―― 筋金入りのメタバースやXR好きとして、希望の部署で働けたのですね。一方、現在のブランド・コミュニケーション本部は、これまでとは違う領域を扱っているのですか。
そうですね。広告宣伝がメインとなる部署なので、これまでとは全く違います。私はその中でも広告の企画・戦略を立てて、露出先メディアを決めていくメディア企画グループに所属しており、特に若年層にアプローチできる新しいメディアの開拓を担当しています。
具体的にはインフルエンサーとのコラボレーションや、SNSのプラットフォームと既存の広告出稿にとらわれない形で何か施策ができないかを一緒に検討するといった業務を担当しています。
インフルエンサーマーケティングという手法自体は新しくはありませんが、既存のマスメディアなどの広告は、広く多くのお客様にメッセージを届けられる一方、どうしても画一的で、一方通行になりがちな部分もあるように思います。今後はSNSのプラットフォームや、信頼性や専門性の高いインフルエンサーと共創して、お客様の興味関心やモーメントに合わせ、反応を見ながら柔軟に、我々のメッセージをお届けしていくことについて今まで以上にレベルアップしたいと思っています。
当部として、お客さまとの新たな接点、コミュニケーション手法の創出に力を入れています。その中で私はまだ異動して間もないこともあり、深くはコミットできていませんが、たとえばメタバースでの広告出稿やイベントなど、学生時代や前の部署で培ってきた知見を広告施策にどう生かせるか、模索していきたいです。自分と同じような若い人にリーチする、旬なインフルエンサーやSNS、メディアを率先して把握していくこともミッションだと思っています。
―― これまでと違う部署に入ってからの戸惑いや課題はありますか。
戸惑いはありません。確かに私はメタバースやVRを追いかけてきましたが、そのコンテンツやハードウェアの開発側ではなく、それらを広める側になりたいと思ってきました。大学時代は経営やマーケティングを専攻していたので、今回、広告宣伝部門に異動になったことは、元々やりたかった領域にチャレンジできるため、非常に嬉しい人事でした。
課題は、やはり大学で学んだマーケティングの理論と、広告宣伝の実務が必ずしも一致しないということです。そのため、社内や他社の状況も含めてインプット・分析し直さなければと思っています。今はまずインプット期間として、持ち前の好奇心や行動力を武器に、いろいろな人に話を伺ったり、本や記事を読んだり、あるいは広告宣伝の実物を現地で体感したりして、知識と考察を深めて業務に還元できることを目指したいです。
より大きな問題意識として、私が今まさにミッションとしているメディアを活用した新たなお客さま接点の創出は、世間のトレンドに乗り遅れてしまうとお客さまとのコミュニケーションが適切に行えなくなってしまうかもしれません。どんなメッセージを、どんなメディアに乗せるとお客さまに届けられるのか。分析やトライアンドエラーが必要だと思っています。
―― 今後、業務を通じて実現したいことを教えてください。
「『つなぐチカラ』を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。」というのがKDDIのビジョンです。
「つなぐ」というのは、当然、通信やアプリケーションによってお客さま同士のコミュニケーションをより円滑化して思いがつながるといったことも、(KDDIが提携している)Starlinkのように宇宙との通信によって、今まで全く通信の届かなかった山間部・離島・災害時などに通信を行き渡らせるようなことも含まれます。さらに広義には、考えの違いによる分断すら超越し、一人ではできなかったことも、誰かと一緒なら実現できるといった意味を持っています。KDDIは全ステークホルダーの思いをつなげていく会社なのだというメッセージを社会につなぎ、広め、浸透させていくことが、今の私の役目だと捉えています。
また、個人的な思いを言いますと、学生時代からの「究極の目標」はVRやメタバースといったものを世の中に広めることです。これらが普及すると、いかに便利で楽しい世界が待っているか。それを世の中の皆さんに伝えたいですし、広まった世界を見てみたい。
まだ社会実装を待つ段階の技術もたくさんあります。それらが実装された未来はどれだけすごいものになるのか。どういった便益がユーザーにあるのか。それを世間の皆さんにも想像してもらい、ワクワクしてもらいたい。だからそれらの普及にマーケターとして関わりたい。私はそういった技術や体験が、ユーザーの幸せにつながっている社会を実現したいと思っています。
―― 本日はありがとうございました。
【上司の視点】未来をサキヨミして
KDDI ブランド・コミュニケーション本部 コミュニケーションデザイン部 メディア企画グループ グループリーダー
後舎 満 氏
後舎 満 氏
新卒から2年間のXRやメタバースを活用した新規事業部門での経験を生かして、広告宣伝業務においてもそういった新しいテクノロジーも活用しながら、新たなお客さま接点やコミュニケーション手法を開拓してもらうことを期待しています。
特に若年層を中心としたお客さまとの接点がますます多様化する中で、今あるメディアや手法にとらわれず、これからの未来をサキヨミしながら、持ち前の好奇心と探求心を思う存分発揮してどんどん新しいことにチャレンジしてもらいたいです。
今回初めての宣伝業務ということが逆に、固定観念に捉われていないという意味で強みになる部分があると思いますし、周囲に流されることなく冷静沈着に業務に向き合う部分も強みだと思いますので、常にお客さまの視点に立ちながら、ブランドとお客さまを繋ぐ新しいコミュニケーションの在り方を切り開いてもらいたいと思います。
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