NEW CEO INTERVIEW #02
dentsu Japanの「現在」と「未来」をどう見るか?【dentsu Japan 新CEO佐野傑氏】
“真の”Integrated Growth Partnerになるために
―― 統合的なソリューションを提供する「Integrated Growth Partner」として進化するためには、何が大事だと考えていますか。
今年から「“真の”Integrated Growth Partnerになる」と宣言しています。“真の”と掲げた背景には、Integrated Growth Partnerという言葉をもう一度考えてみようという思いがあります。
dentsu Japanが掲げる「Integrated Growth Partner」
クライアントに本当の意味でパートナーだといってもらえるのは、そう簡単ではありません。一緒にリスクを取って汗をかいたり、クライアントの望む結果を最後まできちんと実現したりすることで、ようやく“真の”パートナーになり得るのだと考えています。
大事なのは、「期待」を超えていくことです。期待通りの結果では感動してもらえず、仕事の拡大にはつながりにくいと思います。期待値を超えていくことで、継続的で強固な信頼を獲得することが必要です。
私たちの強みである“人”という素晴らしい財産を最大限に発揮していくことも大事です。dentsu Japanに在籍する約2万3000人のプロフェッショナルな従業員が自らの能力を最大限発揮し、そして、互いの能力を掛け算しながら価値を提供していけば、必ずやクライアントの期待値を超えていけるはずです。そのためにも、なるべく一人ひとりの多様性を尊重し、その能力を発揮できるような環境とカルチャーを創っていきたいと考えています。
―― その中で、佐野さん自身が特に意識していることはありますか。
いま申し上げたことを自分自身が体現できているのか、あるいはdentsu Japan全体がそのような環境になっているのかを常に考えています。リーダーとしての視座をもち、国内約150のグループ会社、2万3000人の従業員の未来を見据えていくことを意識しています。
個人的な話では、日々さまざまなステークホルダーの方々とお会いする際、自分が現場感覚を忘れてはいけないと思っています。その場で思わず提案してしまうことも多いのですが、その時に自分は本当に価値のある提案ができたのかは、すごく気にしていますね。
加えて大切にしていることは、常に「期待」を超えることです。dentsu Japanに高崎卓馬というグロースオフィサー/エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクターがいるのですが、彼が「笑いの前には必ず驚きがある」と話していました。つまり、「笑う」というような人の感情が揺さぶられる時には、想像を超える、期待を超える、良い意味で期待を裏切る、そういったことが必要なのです。
―― 最後に、今後の展望をお聞かせください。
広告は進化し続け、マーケティングの中により溶け込んでいくと考えています。とはいえ、広告をやめるつもりはありません。私たちがさまざまな領域で価値を提供できているのは、長年広告でさまざまなノウハウを培ってきたからです。左脳と右脳を掛け算し、常に生活者やクライアント、社会のことを考え価値を生み出していくという、非常に高度なことに取り組んできました。そこが私たちのビジネスを評価いただいているポイントだと感じています。
dentsu Japanは常に進化し、提供する価値にさらに磨きをかけ、企業の成長に伴走していきます。それによって日本のマーケティングがより洗練され、経済の好循環が生まれ、日本のマーケットが世界に対して大きなインパクトをもたらせるようになっていけばいいなと思いますね。
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