パナソニック コネクトから学ぶ「B2Bマーケティングの本質と成果を上げるための実践」 #01

「顧客・社会と共に、継続的に価値を創り、伝え、見届ける」B2Bマーケティングの本質【パナソニック コネクト 関口昭如氏】

 

B2Bマーケティングの多様性/複雑性と留意ポイント


 ここで「B2Bマーケティングの多様性/複雑性と留意ポイント」という小見出しをつけることは、正直迷いました。理由は、B2Cにおいても多くの多様性を持っているからです。たとえばB2CとB2Bの一般的な違いに、B2Bでは稟議によって購入を決めるが、B2Cでは利用者と選定者が同じで複雑性がないと言われることがあります。

 ただしB2Cにおいても、住宅など耐久消費財においては親族内での稟議や購買検討者と利用者が違うこともあるのです。一方でB2Cのマーケティング方法論をそのまま何の疑いも持たずに、B2Bに適用してしまうことにも少し違和感があります。

 マーケティングの基本思想は一緒でも、一方でB2Bならではの多様性や複雑性も理解する必要があります。
 

1)顧客内外の行動が組織ベースである(ただし個々の接点は個人もある)
2)顧客と自社との間における中長期関係性が重要なことが多い。信頼も重要な要素。
3)顧客も積極的に価値の担い手になることが多い
4)顧客も自社も全体のエコシステムのひとつと考えると、派生したニーズや需要なども多く、考慮が必要
5)商品分類によりマーケティング環境や手法も変わる
(材料、部品、設備などの完成品、パッケージソリューション、一品一葉のカスタムソリューション、商社における再販商材など)
6)顧客タッチポイントは、マーケティング施策以外にも意外に多い
7)ブロードマーケットよりは、絞り込んだ特定ターゲットのことが多い
8)従来、営業が顧客タッチポイントのメインであったこともあり、営業活動との連携が重要
9)商品のみならず、サービス全体のマーケティングを考える必要がある
10)スイッチングコストが相対的に高いために、ロイヤル顧客のなかにも、消極的なロイヤル顧客が生まれている可能性がある

 などなど、ほかにも複雑な点はいろいろあり、項目を挙げるとキリがありません。

 次回以降、詳細は説明していくこととし、今回はその一例としてB2B事業の顧客管理の複雑性を例として挙げたいと思います。

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