TOP PLAYER INTERVIEW #74

31年ぶり「Jリーグカレー復刻」の企画者 竹渕祥平氏が明かす、話題化させるための思考法

 

自分自身が愛するJリーグの30年先に向けて


―― 竹渕さんは今年の1月にJリーグに入社されました。転職のきっかけや理由について教えてください。

 マーケティングの仕事を10年以上続けてきた中で、人生で1度は自分自身の興味がフルスロットの状態で携われる仕事をしてみたいと思ったからです。「好きなことを仕事にすると、あんまりうまくいかない」という定説も聞きますし、私自身もそう思うところはありました。

 マーケティングという仕事は客観性が常に求められますが、「好きだ」という感情が先入観につながると考えたためです。また最初はいいけれど、だんだんとアイデアが枯渇し、周りの意見も聞けなくなるってしまう、という考えもありました。

 ただ一方で、必ずしもそんなこともないと考えていました。実際に1人のファン・サポーターとして、日本のサッカー・Jリーグの発展の為に仕事をする機会は人生の中で1度でもあれば、それは本当に幸せなことだなと考えていたのです。

 私は今40代ですが、ある程度、経験を重ねることで自分自身の志向やコアな部分を発見できているので、自分に興味関心がある状態のほうが、企画を考える上では有効だと思っています。冒頭にもお伝えした「主観」と「客観」については、「0→1」を生み出すフェーズでは主観があるほうが強いですし、仮に内輪ノリになってしまったとしても、これまでの経験をもとに客観性を踏まえてチューニングしながら改善できます。

 そんな中で、自分が好きなサッカー業界に携わるチャンスとタイミングがたまたまあったので、自分の中でのワクワク感とそこで勝負してみようという気持ちが強くなり、転職を決断しました。



 Jリーグに転職してからは、マーケティングの中でも主にプロモーションを担っています。Jリーグのマーケティング部門は、 Jリーグの会員IDサービス「JリーグID」や大規模招待などのスタジアム集客に近い部分と、テレビ露出やオウンドメディアの取り組みなどJリーグへの関心度を高める部分の 大きく2つに分かれています。

 Jリーグの認知度は80%程度あるものの、実際にスタジアムに行って観戦したいかという関心度は、認知度に対して隔たりがあるのが課題です。わたしたちは「観戦したことがなく関心もない」消極認知・未利用層にその関心度を高めていくための戦略を立案・実行していきたいと考えています。

※後編 「復刻版Jリーグカレー」に秘められた“核”となる企画の重要性【竹渕祥平氏】 に続く
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