広報・PR #18

都市型水害・台風、2024年の災害事例から気候変動時代の広報マニュアルを考える

 

迅速かつ正確な情報発信


 災害発生直後の初動対応は、その後の広報活動の成否を左右する。特にゲリラ豪雨や線状降水帯などによる突発的な災害の場合、迅速性が極めて重要となる。同時に、正確性とのバランスを取りながら、状況の把握と情報発信を行うことが求められる。

 初動対応のポイントは以下の通りだ。

1. 状況確認
社員の安否、施設の被害状況、事業への影響を迅速に確認する。特に、都市部の水害など、これまで想定していなかった場所での被害にも注意を払う。

2. 対策本部の設置
マニュアルに基づき、速やかに災害対策本部を設置する。オンラインでの設置も考慮に入れる。

3. 初期声明の発表
「ホールディングコメント」を活用し、状況の確認中であることと今後の情報発信予定を伝える。
※ホールディングコメント:状況がよく分からない中での取り敢えずのコメントや、お詫びのステートメント(文章)のことを指す。「現在、事実関係について調査中のため、お待ちください」「判明次第、すぐにお知らせします」といった内容がある。

4. 情報の一元管理
錯綜する情報を一元管理し、発信内容の整合性を確保する。SNS上の情報も含めて、総合的に状況を把握する。

5. 定期的な更新
新たな情報が得られ次第、定期的に更新を行う。特に、突発的な災害の場合、状況が刻々と変化する可能性があるため、更新頻度を上げる。

6.メディア対応
記者会見やプレスリリースの準備を並行して進める。オンライン記者会見の準備も行う。

 初動対応の成否は、平時からの準備と訓練に大きく左右される。特に、近年の災害の特徴を踏まえた訓練シナリオの作成が重要だ。

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