TOP PLAYER INTERVIEW #76

なぜサントリーウエルネスは「マルチチャネル戦略」に踏み切ったのか? 初の40~50代ミドル向け商品に託す新戦略

前回の記事:
「復刻版Jリーグカレー」に秘められた“核”となる企画の重要性【竹渕祥平氏】
 サントリーウエルネスは、健康食品通販市場で長年トップの座を維持し、主力商品「セサミン」は消費者に広く認知されています。同社は2024年6月、新たな商品として40~50代のミドル層をターゲットにした「セサミンバイタル」を発売し、ECモールや店舗流通も積極的に活用して販売チャネルを拡大しています。

 これまでシニア層向けの商品で実績を築いてきた同社にとって、ミドル層向けの展開と販売チャネルの多角化は初の試みです。この商品投入にあたって、どのようなマーケティング戦略を打ち出したのか、ヘルスケア事業部 課長の大塚さら氏と「セサミンバイタル」のブランドマネージャーである日比谷浩行氏に商品開発の背景や今後の展望について聞きました。
 

シニア層とミドル層では「疲労感」の捉え方が違う


―― ミドル層をターゲットとした新商品「セサミンバイタル」は、どのような背景や意図で開発されたのでしょうか。

日比谷 40~50代のミドル層に差し掛かると、若い頃に比べて重しのような抜けきれない疲労感を持つ人が多くいらっしゃいます。このような疲労感の一因は体の“サビ”と我々は考えています。それが疲労感につながるのです。
 
サントリーウエルネス ヘルスケア事業部1G(セサミングループ)
『セサミンバイタル』ブランドマネージャー
日比谷 浩行 氏

 前職の広告会社にて、広告制作とブランディングを担当。2017年にサントリーに入社し、「セサミンEX」「ロコモア」「快眠セサミン」のブランドマネジメント・コミュニケーションプラン立案に携わる。現在は新商品「セサミンバイタル」のブランドマネージャー。

この抜けきらない疲労感に対策し、エネルギーあふれる毎日を送っていただきたいと考え「セサミンバイタル」を開発しました。理想は、若い頃のように朝起きたら充電100%で目覚めが良く、日中もエネルギーが持続し、夜になってもまだ気力やパワーなどが残っている状態です。

大塚 これまでサントリーウエルネスのメインのお客さまだったシニア層は、基本的には疲労感を受け入れ、パワーをなるべく維持するといった方向で考えています。
 
サントリーウエルネス ヘルスケア事業部1G(セサミングループ)課長
大塚 さら 氏

 2003年にサントリーに入社。食品事業部で「なっちゃん」「CCレモン」など複数の飲料ブランドを担当。2021年よりサントリーウエルネス配属となり「セサミンバイタル」「快眠セサミン」などの商品開発を担当。2023年1月より現職。

しかし、ミドル層は、まだ体の衰えをあまり受け入れたくないといった想いがあり、「疲労感に抗う」というインサイトがあります。ここが多くのお客さまからの聞き込みから見えてきたシニア層とミドル層との大きな違いです。

ミドル層が疲労感に対して「何かしらの対策をしたい」という希望を持っていることは、シニアのお客さまを主に見ていた当社としては新鮮な発見でした。

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