CATCH THE RISING STAR #20

LIFULLのデジタル広告を担う3年目マーケターが目指す「自分らしく生きやすい社会」【大友佳澄氏】

前回の記事:
キンドリルジャパン立ち上げから携わる若きマーケターがこだわるブランディングと「勝ち取る」姿勢【立石汐南氏】
 企業におけるマーケティングの重要性が増す一方、「マーケターの仕事はAIに奪われるのでは」とも囁かれる昨今。そんな変革期に、マーケティング領域で働く若者は何を考え、どう行動しているのか。

 Agenda noteでは「Z世代」と一括りにされがちな彼らの中でも、各企業が特に期待を寄せる「ライジングスター」にフォーカス。生まれた時からインターネットに触れ、テクノロジーやSNSを使いこなす彼らの多彩な思考や行動を探ることで、マーケティング領域の近未来を照射していきたい。

 第20回に登場するのはLIFULLの入社3年目マーケター大友佳澄氏。「自分らしく生きる」を模索し、同社のビジョンに強く共鳴して入社した同氏は、未知だったデジタル広告運用の世界で持ち前の分析力やデータ管理スキルを生かして活躍している。
 

CVの変動要因を考察


―― LIFULLへの入社を決めた理由を教えてください。

 大学では社会学、特にマイノリティやジェンダーについて専攻して学んでいました。その学びを通じて、「自分らしく生きられる」というのはもちろん大事なのですが、もう一歩進んで「自分らしく生きやすい」ことが重要だと考えるようになりました。

 微妙な言葉の差ですが、「生きやすい」というのは自分ひとりでどうにかするというより、周りの人からも自分らしい生き方が尊重される社会であるというニュアンスです。個人だけでなく、社会全体がそういう方向に変わっていったらいいなと思っています。「自分らしく生きるってどういうことだろう」「より多くの人が自分らしく生きやすい世の中になったらいいな」という思いを常に抱いています。

 就職活動をする中で、LIFULLの社是である「利他主義」に共鳴しました。人生を左右する大きな決断である住宅・不動産の情報サービスを通じて「常に革進することで、より多くの人々が心からの『安心』と『喜び』を得られる社会の仕組みを創る」という経営理念、LIFULLが理想とする世界観にも共感しました。また、私と同じようにこのビジョンに共感する社員が大勢いることも、採用説明会や社員との面談などから伝わってきたので、自分の価値観に合っているなと思って入社を決めました。
 
大友 佳澄 氏
LIFULL LIFULL HOME`S事業本部 コンシューマーマーケティング部デジタルマーケティンググループ

―― 入社後はどのような業務を担当されましたか。

 総合職として入社し、最初からマーケティング部に配属され、現在3年目になります。実は、マーケティングを志望したことはなくて…。入社式では新入社員一人ひとりが社長から辞令を受け取ったのですが、同期の中で自分だけマーケティング部に配属されて驚きました。全然想像していなかったのです。

 大学では社会学専攻で、マーケティングの知識や経験はまったくなかったので、ゼロから教えていただきながら業務に取り組んできました。

 配属後は一貫してデジタル領域の広告運用を担当しています。具体的には、主にリスティング広告とディスプレイ広告の内容を検討して制作し、配信、入札調整を行なっています。「LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)」のカタログ請求などのCVを目標として運用しています。

―― CVの向上のためにどのような工夫をしていますか。

 日々数字や実績を見ながら、「変動要因が何なのか」を考察するよう心がけています。数字が変わったのはユーザーの動きが変わったからなのか、何の影響なのかを考えながら、それに対応するために適切な施策を検討します。

 住宅情報サービスの繁忙期は比較的はっきりしていて、新学期など引越しが多い時期はCVも増えるのですが、この増加に対して、要因がシンプルに市況によるものなのか、それとも施策の効果なのか、あるいは制度の改変やトレンドの変化によるものなのか、頻繁にチェックして見極めるようにしています。

 こうした考察をもとに、広告を調整してCVが向上すると、成果を実感できるので、やりがいを感じられますね。また、広告運用の業務はひとりでやるものではなく、広告の遷移先であるサイトのページ制作の担当部署や、広告配信のために必要な開発を行うエンジニアとの連携が必須です。さまざまな部署や業種の人と関わり協力して行うことが多いので、施策がCVにつながると、チームで取り組んでよかったなと感じます。

―― 広告運用を行う上で心がけていることがあれば教えてください。

 押し付けがましい広告は打ちたくないと思っています。必要以上に煽ったり、誰かを傷つける表現になったりしていないか、誰に対してもフラットなものになっているかにも気を遣っていて、チェックする際はユーザー視点に立って広告を見ることが大事だなと感じています。

 また、ブランドを意識するのは大切ですが、たとえばLIFULL 公式キャラクターの「ホームズくん」の画像を使うより、家の外観画像のほうがユーザーからすると親近感があり、反応がいい場合もあります。このバランスを取るのが一番難しく感じるところでもあるのですが、ブランドや企業をどこまで押し出すか、試行錯誤しながら、サービス領域ごとに異なる広告づくりを行なっています。

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