CATCH THE RISING STAR #20

LIFULLのデジタル広告を担う3年目マーケターが目指す「自分らしく生きやすい社会」【大友佳澄氏】

 

「自分らしい暮らし」をサポート


―― 大友さんがチームのデータ管理において貢献されていると聞きました。

 GoogleのLooker Studio(ルッカースタジオ)というツールで、Google広告など各広告配信媒体などから取得した計測データをレポートにまとめています。日々の広告配信実績が見やすい形でまとめられるので、パッと現状の把握ができます。最初はチーム内で「データを分かりやすく整理したいね」という話があり、私が得意分野ということで、プロジェクトを主導して進めました。ミーティングなどで使いやすくなったほか、個々のチームメンバーが振り返りもしやすくなったので、実績を把握して広告調整をすることが効率的にできるようになったと思います。

 もともとデータや文章を見やすくまとめるのが好きで、情報整理の考え方も学生時代のインターン活動などで習得しました。大学ではフリーペーパーをつくるサークルに所属していたので、要素をピックアップしてまとめるスキルは、そこで身に付いたのかもしれません。当時は予想しませんでしたが、マーケターらしいスキルのひとつかなと思います。

―― LIFULL HOME'Sでは、外国籍の人や同性カップルなど、住まいを借りるのが難しい人と不動産会社をつなぐ「FRIENDLY DOOR(フレンドリードア)」を展開しています。

 はい。この「FRIENDLY DOOR」の事業自体は入社前から知っていて、コンセプトに共感していました。興味があるということを上司に話したところ、有料広告を始めるタイミングで声をかけてもらい、「やりたいです!」と手を挙げて広告運用を担当するようになりました。

「FRIENDLY DOOR」の場合、ターゲットを絞ってリーチする必要があります。対象となる方々に、どういうフレーズだったらクリーンヒットするのか。どういう広告だったら「ちょっとサイトを見てみようかな」と思っていただけるのかを考えながら、施策を打っています。

―― 自分自身やLIFULLについて、課題を感じることはありますか。

 個人的に課題に感じることは、もう少し機動力というか、現状を把握して背景を明らかにし、それに対して改善策を考えて、他の人を巻き込んで実行していく力やスピードの質・量を上げていきたいと思っています。ネット広告という領域自体のアップデートが激しいので、スピード感のある対応がマーケターとして求められます。

 そのために、差し当たって意識しているのが、先輩や上司に相談するまでのスピードや精度を上げることです。ファクトを見る時に何か突出する指標を見つけて、そこを皮切りに課題や要因を浮かび上がらせるのが効果的だと実感しています。

 会社全体について言えば、競合のポータルサイトとの違いをどう打ち出していくのかを課題に感じます。「LIFULL HOME'S」の機能面の優位性としては、情報の鮮度や更新頻度の高さ、あとは社会課題にもなっている「おとり物件」対策をしている点などが挙げられます。そういった「推しポイント」をどうやって見せていくか、難しさを感じながら取り組んでいるところです。

―― 今後の目標をお聞かせください。

 今お話したように、ポータルサイトとしてどのように成長していくかという点では、ユーザーが欲している情報を適切なタイミングに適切な量でお届けすることで、その人の「より自分らしい暮らし」のサポートができるようにしていきたいです。そのためには情報のカスタマイズ化も視野に入れて、進化していく必要があると考えています。

 学生の頃から、いろんな人と関わり協働していくことが好きだったので、現在の業務もエンジニアさんやデザイナーさんなど、さまざまな方と一緒に働く場面が多く、楽しく感じています。ユーザー視点に立ったマーケターという仕事は続けたいと思っていて、自社で出している本の編集やSNS、CMなど、デジタル領域以外のチャネルにも携わっていきたいですね。

―― 本日はありがとうございました。
  
 

【上司の視点】自身のビジョンを業務で体現

 
遠藤 夏海 氏
LIFULL LIFULL HOME'S事業本部コンシューマーマーケティング部デジタルマーケティンググループ グループ長

 大友さんは、昔から多様な境遇や価値観を尊重することを一貫して大事にされていて、LIFULLでの業務や働き方においてもその考えを体現してくれる存在として、チーム内で信頼と尊敬を集めています。LIFULLはWebサイトを中心として、営業、プロダクト部門などの方々と連携する場面が多いのですが、こういったさまざまな職能や立場の方との協働においても、どんな意見や価値観も否定せず取り入れながら、考え方や施策をアップデートしてくれます。メインで担当している「LIFULL HOME'S注文住宅」、「LIFULL HOME'S 住まいの窓口」などの集客においても、多様なニーズを持つお客さまに対して何をしてあげられるかを懸命に考え、さらに様々なバックグラウンドを持つ方の住まい探しを支援する「FRIENDLY DOOR」のプロジェクトや社内のダイバーシティ&インクルージョンに関するワーキンググループにも積極的に手を挙げて参画してくれています。

 マーケティング人材の育成に関しては、LIFULL HOME'Sでは現在、マーケティング施策のインハウス化と、事業ごとに異なる広告アプローチを強化しようとしています。インハウス化は従来から進めていましたが、当社のビジョンや事業を深く理解した上で、事業ごとに異なる課題解決のための企画力や仮説構築力、人を巻き込んで推進していく実行力のある人材の重要性がますます高まっています。

 大友さんのように、ご自身と会社のビジョンが深く共鳴し合い、心意気を業務に乗せて推進させていくことができるマーケターは貴重です。これからもより多くの人を巻き込んで、インパクトあるプロジェクトをリードする存在になってくれると期待しています。
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