マーケターズ・ロード 笹本裕 #02

なぜ元Twitterジャパン社長の笹本裕氏は、次のキャリアにDAZN Japanを選んだのか

 

スポーツを通じて日本を元気にしたい


 現在、私は「DAZN Japan CEO 兼 アジア事業開発」として、収益、利用者数の増加、コンテンツの権利など、日本市場におけるDAZN事業のすべての責任を負っています。日本市場は、まだ成長の余地があると見込んでおり、その成長を加速させることがミッションです。

 さらに、DAZNをアジア太平洋地域(APAC)へ拡大する環境を整え、DAZN Taiwanの事業成長も私の責任です。今後、アジア内で展開するマーケットのロールモデルとなるように、日本市場を成長させることが私の使命だと考えています。

 アジアの中でも日本市場は、DAZNにとって重要なマーケットです。経済力や人口だけでなくスポーツに対する文化や熱量も成熟しており、欧米と比較しても引けを取りません。

 また、我々はスポーツを通して日本を元気にしたいと考えています。スポーツにはチケットを購入してスタジアムやアリーナで観戦する人、会場で働く人、オンラインで楽しむ人など、さまざまな側面があります。スポーツが日本から海外に広がれば、その競技全体の経済圏も拡大します。

 未来の日本を元気にするには、若い世代が日常的にスポーツに触れる環境をつくることが大切です。そのためには「プレーする」だけでなく、「観る」楽しさを広げなければいけません。
  

 あとは、どのようにビジネスモデルとして構築するかだけだと考えています。私たちはまだまだスポーツに関連するビジネスチャンスが多くあると見込んでおり、このビジネスモデルの成功方程式も見出しつつあります。

 詳しいことは言えませんが簡単にお伝えすると、DAZNとしてスポーツの領域で何らかのエコシステムを形成したいと考えています。このエコシステムは自社だけでつくれるものではなく、多くのステークホルダーの協力が必要です。

 多くの人にとってメリットのあるエコシステムの構築は簡単ではありませんが、必要なステークホルダーも見えてきました。あとは彼らにDAZNのビジネスモデルや理念に共感してもらえるかが重要です。そのエコシステムによって、日本を元気にするという目標が実現できると思います。

 私は父親が日産自動車で働いていたこともあり、タイで生まれ、幼少期をオーストラリアで過ごしたため、日本に対してさまざまな思いがあります。これからも日本の若い世代が「日本っていいよね」と言い続けられ、海外からもリスペクトされる国民性や文化を持ち続けてほしいです。今は元気のない日本の経済力が再び活性化され、「日本ってすごいね」という時代が再び訪れてほしいと願っています。これまでのキャリアやバックグラウンドを活かし、その実現に貢献していきたいと考えています。

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録