TOP PLAYER INTERVIEW #79

「3秒で買わせる店頭」から「心をつかむEC」まで、カンロのマーケティング改革の真髄【内山妙子氏】

 

カンロとして信頼できる企業になるために


―― ブランド価値の向上、シェアや利益の最⼤化を図るために、今後はどのようなことに取り組まれるのでしょうか。

 カンロとしてのCX(顧客体験価値)を一貫して優れたものにし、あらゆる側面から見ても信頼できる企業を目指します。現在、売上が上がっている背景には、マーケティングの力だけではなく、現場の力など複合的な要素があります。そのため、今後は企業としてより強固な組織づくりにも注力します。広報やマーケティング、営業、それ以外の部署を含め、すべての部門が同じ方向を向き、会社全体をよくする意思を共有していることは、一見外からはわかりませんが、非常に強い組織だと考えています。

 社員全員が自分の担当ブランドだけではなく、他のブランドやカンロ自体のことも考えながら、垣根なく内情を知っていけるような環境づくりもミッションのひとつだと考えています。また、取り組んでいる仕事がどこにつながっていくかを明確にし、自主自律で動く組織をつくることが理想です。私たちのマーケティングチームでは10数名の管理職が1週間に1回打ち合わせをし、会社全体や他部門の取り組みを共有する体制をつくっています。

―― 長期ビジョン「Kanro Vision 2030」では、価値創造・ESG経営・事業領域の拡⼤を重点戦略とされています。マーケティング組織、貴社として今後の⽬指す⽅向性や展望を教えてください。

 飴をただ販売するのではなく、価値を提供するものとして頭を切り替えることが大事だと思います。今後は、飴が提供できる美味しい以外の価値をしっかりと特定し、言語化していきたいです。

 現在は嬉しいことに主力商品の中でも、特にグミの業績が好調であるため、他の領域にリソースを割けないという課題があります。ただ、今後はECやDtoCも含めて事業領域を拡大し、会社全体の売上のポートフォリオも変えていくことが必要だと考えているので、その実現に向けて尽力していきたいと思います。
  
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