マーケティングは、街にどう貢献できるのか #04
渋谷は、全てを受け入れてくれる「ダイバーシティの街」になれるのか【渋谷未来デザイン 長田新子】
2018/10/12
都市の体験を街づくり/コミュニティづくりの視点から構想する
SIWにて「都市とスポーツとエンタテインメントの未来」というプログラムを行った。代々木公園内に、スポーツとエンターテインメント、地域コミュニティ、防災の拠点を兼ねるスタジアム建設構想「SCRAMBLE STADIUM SHIBUYA」について、各業界のパネリストが意見を交わす場だ。そこで描くビジョンは、渋谷の中心である代々木公園B地区に、感動を届けるスポーツ・エンターテインメントの聖地としてスタジアムパークをつくることだ。これは未来を担う子どもたちが 集う場所であり、災害時はあらゆる人の安心安全を守る防災拠点として機能するという夢を構想している。
行政、企業、市民を巻き込んだ大規模な構想を進めるためには、大きなエネルギーが必要だが、誰かが最初に事を起こさないと何も進まない。海外の主要都市の中央には、スタジアムやエンターテインメント施設があり、それが街と密接に連動している。
※画像は渋谷未来デザイン作成のイメージであり、
創造文化都市を目指す渋谷にとって大きなチャレンジであり、もちろん賛否両論あるが、個人的にも渋谷区民として、スポーツやエンターテインメント好きとして、スポーツや文化を身近に体験できて、感動できる場所が生まれたらいいと思っている。
未来の体験価値は、ハードだけでなくて、ソフトからも生み出せるかが重要だ。そのためには、難しいという意見を並べるだけでなく、建設的な意見交換を繰り返し、そこに未来を担う人の視点を入れていくことが大切だ。
さて、街は伝統を守ることも大事だと思うが、個人的には渋谷はそれに固執せず、時代の流れを敏感に感知して変わる努力をして、新しいものを生み出す力を持つべきだと思っている。
渋谷が発展してきた契機のひとつに、1964年の東京オリンピックがある。2020年にオリンピックが東京に戻ってくるが、次の発展を生み出すのだろうか。ハード面の整備に加えて、新しい文化や体験価値を生み出して街と人がひとつになることができれば、新しい一歩が踏み出せると思っている。そのためには関わる人が意見を交わして努力すべきで、最後は主体的に動くことが必要だと思っている。
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