TOP PLAYER INTERVIEW #84
3度目の日本上陸で売上好調の「スキットルズ」、エッジの効いたコミュニケーション戦略の背景
「スニッカーズ」や「M&M'S」を販売するマース ジャパン リミテッドが、新たにチューイングキャンディブランドの「スキットルズ」を2024年9月24日に全国で発売した。スキットルズは、すでに世界180カ国で展開されており、特に欧米ではキャンディカテゴリでトップクラスの人気ブランドだ。実は日本でも過去2回ほど発売しているが、いずれも終売となっている。
しかし、日本市場の変化を受けて3度目の挑戦として9月発売を開始。発売後すぐにプレゼントキャンペーンを実施し、トレインジャックなどのプロモーション施策も展開するなど、SNSを中心に話題となった。
そこで、マース ジャパン リミッテッド スナックフード マーケティングマネジャーの村上慎一郎氏に、どのような勝ち筋があって3度目の日本発売を決断したのか、ブランドを好きになってもらうためのマーケティング施策に隠された意図は何か、発売後の売上好調の理由などについて詳しく聞いた。
しかし、日本市場の変化を受けて3度目の挑戦として9月発売を開始。発売後すぐにプレゼントキャンペーンを実施し、トレインジャックなどのプロモーション施策も展開するなど、SNSを中心に話題となった。
そこで、マース ジャパン リミッテッド スナックフード マーケティングマネジャーの村上慎一郎氏に、どのような勝ち筋があって3度目の日本発売を決断したのか、ブランドを好きになってもらうためのマーケティング施策に隠された意図は何か、発売後の売上好調の理由などについて詳しく聞いた。
斜めから気づきを与え、人を笑顔にする
―― まずは、スキットルズという商品についてご紹介いただけますか。
スキットルズは、1974年に英国で生まれたブランドで、2024年に50周年を迎えました。発売当初から商品の形は変わらず、カリカリした糖衣の中に噛みごたえのあるソフトキャンディという2層構造になっています。
フレーバーは、スキットルズの定番である「スキットルズ オリジナル」と、酸味を利かせた「スキットルズ サワー」の2つです。どちらも1袋に5種類のフルーツフレーバー(グレープ味、レモン味、ストロベリー味、グリーンアップル味、オレンジ味)が入っています。
マース ジャパン リミテッド スナックフード マーケティングマネジャー
村上 慎一郎 氏
2020年入社。スナックフードのマーケティング担当として、スニッカーズ、M&M’Sなどの菓子ブランドの製品開発、コミュニケーション戦略を担当
村上 慎一郎 氏
2020年入社。スナックフードのマーケティング担当として、スニッカーズ、M&M’Sなどの菓子ブランドの製品開発、コミュニケーション戦略を担当
すでに世界180カ国以上で販売しており、海外では誰もが1度は見たことがある、または食べたことがあるという身近な商品になっています。特に欧米ではキャンディカテゴリの中で長年愛され、売り上げ・知名度ともにトップクラスのブランドです。
スキットルズのブランディングとして発売当初から一貫しているのは、「意外性を突くことで人に気づきを与え、それによって人を笑顔にする」ということです。「気づきを与える」と一口に言っても、それぞれの国や地域でインサイトは大きく異なります。
しかし、最も特徴的なのは米国のブランドのホームページに書いてある「スキットルズが発売されるまで、この地球上に色という色は存在しなかった」という文言です。絶対にそんなわけないのですが、単にカラフルなお菓子を発売して「カラフルで楽しいよね」と伝えるのではなく、「スキットルズの色味にはそれほど大きな価値がある」といったように、お客さまに少しエッジを効かせて価値を伝えていることがブランドを表していると感じます。
スキットルズというブランドを通して、人が当たり前だと思ってしまっている日常のくだらないことや、普段意識していないようなつまらないこと、逆にまだ発見されていない面白さを再発見してもらうことなどを大切にしたいと思っています。