TOP PLAYER INTERVIEW #84
3度目の日本上陸で売上好調の「スキットルズ」、エッジの効いたコミュニケーション戦略の背景
応募の前に冷静になるプレゼントキャンペーン
―― スキットルズのブランディングにおいて、「人に気づきを与え、人を笑顔にする」という話が冒頭にありました。今回の広告やプロモーションでは、それをどのように表現したのでしょうか。
たとえば、発売開始後に実施したプレゼントキャンペーンでは、お客さまが応募する前に一度冷静になって、「そのプレゼントが本当に欲しいのか?」を考えてもらい、それによって気づきを与えるといった企画を実施しました。
そのキャンペーンでは、スキットルズ1年分を景品として用意し「誰でも応募可能なプレゼントキャンペーン」とする一方で、応募フォームの中で「本当に応募しますか?1年分も食べきれませんよ?」「どこに置いておくのですか?」「応募規約のここには何が書いてありましたか?」といったことを何度も何度も問いかけました。
それによって、お客さまはただプレゼントがもらえるからと何も考えずに応募するのではなく、一度立ち止まって本当に応募したいのかを考えてもらう施策を実施いたしました。
応募ページでは、正解を当て続けなければ最終の応募画面にはたどり着けないような仕組みにしました。結果的に、最初の応募ページにアクセスした人のうち、最終の応募ページにたどり着いて応募した人は1%にも満たないくらいでした(笑)。
―― それはどのような考えで実施に踏み切ったのですか。
日本で2度も終売しているスキットルズが、3度目の上陸で発売されたこと、そのものに驚きを持っていただきたいと思っていました。また、スキットルズのブランディングとして気づきを与えるときにも、それを真っ直ぐ伝えるのではなくあえて斜めから伝え、かつお客さまがついニヤッとしてしまうような表現にしました。
とにかく印象に残って、ブランドらしさを伝えられるキャンペーンを考えたときに、そもそも簡単に応募できるプレゼントキャンペーンでは、そのブランドに深い印象は残らないのではないかという疑問を抱きました。そこで、「スキットルズ」というブランド名を記憶してもらうために、商品を食べる機会はかなり少なくなるかもしれないけれど、他のお菓子メーカーが普通ならやらないようなキャンペーンを企画しました。
Skittles おいしい不要品 歯科医篇_6s
実施前は、炎上するのではないか、なぜ応募できないんだという否定的なコメントが寄せられるのではないかという心配も正直ありました。しかし、結果として喜んでいただけたお客さまの方が多く、ポジティブなコメントも多くあったので、スキットルズがやりたかったことは、ある程度理解いただけたのかなと感じています。