TOP PLAYER INTERVIEW #84

3度目の日本上陸で売上好調の「スキットルズ」、エッジの効いたコミュニケーション戦略の背景

 

ブランドを好きになってもらう


―― スキットルズでは、斜めから気づきを伝えるときの“斜め”をどのように捉えているのでしょうか。

 たとえば、新しいブランドや商品、サービスを知ってもらいたいとき、ブランドの名前を連呼したり、商品の特長を詳しく述べたりする場合が多いと思います。しかし、我々はそうした広告やプロモーションをしないようにしています。
  

 というのも、ブランドを知っていただければ、そのブランドの商品にも直接興味が向くのかというと、情報が溢れている現代では必ずしもそうとは限らないと感じています。たとえば、当社の商品であるスニッカーズは、甘くてピーナッツが入っている、チョコレートバーであるといった特徴があります。そこでスニッカーズについて、ファンにインタビューすると「お腹がいっぱいになる感覚に喜びがある」「他のお菓子にはない強い甘みがストレス解消になる」といったように、食べたいときや、食べたときの気持ちを強く想起する人が多いとわかりました。

 そのため、味がおいしいから好きになることも重要ではありますが、今回はまずブランドとして好きになっていただくことを重視し、それを基軸にプロモーション企画を練りました。

―― 斜めから伝えるようなコミュニケーションは、消費者に受け入れられないかもしれないというリスクも伴うと思いますが、そのバランスはどのように見極めたのでしょうか。

 たしかに、尖ったことをやればやるほど、それを良いもの、楽しいものだと感じない消費者もいると思います。そのため、どこまで踏み切り、どこをカバーすべきかというバランスは、最後の最後まで非常に悩みました。
 
Skittles_おいしい不要品_30s
 
 判断軸のひとつとして、グミやキャンディなど数多くのブランドや商品を見てきた取引先の人に、商談の中でコミュニケーションのコピーを見ていただき、どのような反応があるか確認していました。そこで「おもしろいね」「いいね」と言ってくれたときにチャンスがあると判断し、逆にそんな極端なことをやって、もしお店にクレームが来たらどうするのかといった反応が多ければ、それはやりすぎだろうと捉えて微調整を繰り返しコミュニケーションは完成しました。

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