TOP PLAYER INTERVIEW #84
3度目の日本上陸で売上好調の「スキットルズ」、エッジの効いたコミュニケーション戦略の背景
特徴的なコミュニケーションで売上は想定以上に
―― 3度目の発売後の成果を教えてください。
現時点で発売から4カ月が経過しましたが、売上は当初の想定よりもかなり好調に推移しています。特に「スキットルズ サワー」の売れ行きが期待を大きく上回っていますね。
やはり今回は、マーケティングを厚くサポートしていることが大きく影響していると思います。当社の中でも他のブランドと比べて、明らかに特徴的なコミュニケーションを実施しているので、それをきっかけに商談で導入を決めてくださる店舗が非常に多くありました。そもそも我々のようなお菓子メーカーは店頭に入荷してもらえなければ、消費者にどれほど認知が広がっても購入していただくことはできません。まずは多くの店舗に置いていただけたことが成果につながった一因だと思います。
また、特徴的なコミュニケーションを通してブランドのやりたいことや伝えたいことを理解し、手に取ってくださった消費者の人も多くいたと思います。海外で50年続くブランド力のある商品なので、一度手に取っていただければ受け入れられる下地が整っていることも成果につながった要因です。
日本のお菓子は、単価が安いのに品質が非常に高く、おいしいといった特徴があるので、単純に商品の味や物性だけで勝負するのはかなりハードルが高いです。そのため、まず買っていただくよりも、多くの人にブランドらしさに触れていただき、その中から数が少なくてもブランドのファンになってくださる人を増やしていくことが重要だと考えています。
スキットルズであれば、皮肉っぽいコミュニケーションや、つまらない時間を少しでもおもしろくするというコミュニケーションに共感してくださる人がファンになってほしいと考えています。
―― 最後に、日本市場における今後の展望をお聞かせください。
初速は非常に好調ですが、もう2度と失敗できないので、「スキットルズ」というブランドと、販売している2つの商品をしっかりと日本市場に根付かせ、より大きくしていくことが一番の目標です。
また、すべてのコミュニケーションは最終的に商品やブランドそのものに紐づくものです。ブランドの名前やロゴを理解し、愛してくれるファンを増やしたいことを前提に考えれば、その目標のための手段は必ずしも新商品を販売することや新しいテレビCMを制作するなどだけではないと思います。
海外で生活していた人などは、すでに親しみを持っていただいていると思いますが、ゆくゆくは「海外で売っているスキットルズ」ではなく、「日本で売っている好きなブランド」といった感覚を持っていただけるようにしたいです。
―― 本日は、ありがとうございました。
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