TOP PLAYER INTERVIEW #88

グリコが「健康」に全力投球、創業からの思いを伝える新プロジェクトで次のステージへ【江崎グリコ 三木依子氏】

 

グリコが「疲労」に着目した理由


―― その第1弾として実施された「グリコ コンディショニングスタジオ」は、どのようなイベントでしたか。

「GOOD LIFE CIRCLE」の思想や想いを具象化した取組みの第1弾である「グリコ コンディショニングスタジオ」は、江崎グリコがこれまで積み重ねてきた幅広い研究の中から、「疲労」に着目し、「コンディションの可視化」と「心と体の癒し体験」を通じて「日々のストレスや疲労を解消したい」という思いをお持ちのお客様にGlicoから疲労への気付きを提供する体験イベントとして企画・開催しました。

 東京の虎ノ門ヒルズに期間限定で特設スタジオを設置し、「アクティブレストコース」と「ヒーリングコース」という2つの体験コースをご用意し、前後のコンディションに変化があるかを体感・測定してもらうというイベントで、はじめに参加者のコンディションを測定し、専用ドリンクを飲んだ後に、2つのプログラムのいずれかにご参加いただき、最後に再びコンディションを測定するという内容です。
  
期間限定で開催したグリコ コンディショニングスタジオ(左)と、その中で実施されたアクティブレストコースの様子(右)。

 アクティブレストコースは、体の調子を整えたい人に向けたプログラムで、ヨガやストレッチなどの軽い運動をすることで体の調子を整えます。

 ヒーリングコースは、心の調子をととのえたい人に向けたプログラムで、頭から肩にかけての緩やかなマッサージでケアすることで、心と体のバランスを整えます。

 当社にとって新しく取り組む内容のイベントであったため、脳科学や疲労科学を専門とする先生を社外から全体の監修者として迎えた他、プログラム開発においてもその道のプロから助言を受けました。皆さまの助言を受けたことで、参加者の方により喜んでいただけるイベント内容に進化させることができたと考えております。

―― 「疲労」というテーマに着目するまでに、社内ではどのような議論がありましたか。

 当社では、健康づくりの3要素として、栄養、運動、休養(休息)を重視しさまざまな研究を行っており、このことをお客様に自分ごと化してもらいたいと考えています。その点、「疲労」はお客様が日常において自覚しやすく、自分ごと化したうえで健康習慣づくりのきっかけにつながりやすいテーマだと考えました。

 また自分ごと化してもらうためには、お客様ご自身の状態を計測でき、数値として見える化できるということが非常に重要になります。体験を通して数値の変化が見える化でき、お客様に価値をきちんと理解していただけるイベントにするにはどのような内容にするのが良いか、皆で議論をしました。
 

あくまでも食品の領域で健康を届ける


―― 第1弾のイベントで、「食品を通じて国民の体位向上に貢献する」というビジョンを伝えるために工夫した点はどこでしょうか。

 普通に考えれば、体を動かしたり心身を癒すようなアクティブレストやヒーリングのプログラムだけを提供すれば良いという話になりそうですが、私たちは食品の領域でソリューションを提供する姿勢を貫いています。そのため今回のイベントでも、オリジナルドリンクも含めてひとつの体験パッケージにしている点に創業からの想いが表れていると考えています。

 プログラム参加前に提供するオリジナルドリンクはコースによって異なり、アクティブレストコースではビタミンなどが配合されたクエン酸ドリンクを、ヒーリングコースでは江崎グリコが研究し、食品素材として販売している「糖転移ヘスペリジン」を配合したホットフレーバーティーを用意しました。提供する温度や量についても工夫を施し、それぞれのプログラムに最適なものを開発しました。

 また、今回提供したイベントプログラムの開発の過程において臨床試験を行い、科学的エビデンスを集めたうえで実施したことは、お客様にとって価値のあるものを提供するとコミットしている私たちだからこそだと感じています。実際に江崎グリコの研究開発では、臨床試験の実施や論文化を積極的に行っており、今回も論文を発表し特許も出願中です。

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録