TOP PLAYER INTERVIEW #88

グリコが「健康」に全力投球、創業からの思いを伝える新プロジェクトで次のステージへ【江崎グリコ 三木依子氏】

 

コミュニケーションを通じて次につなげる


―― これまで外資系消費財メーカーや製薬会社でコーポレートブランディングやPRに携わってきた三木さんのご経験は、今回のプロジェクトの立ち上げや推進において、どのように生かされたのでしょうか。

 私は、今回の取り組みを企業やブランドが新たな価値や役割を再定義し、次の成長段階へ進む「リステージ」の一端だと捉えています。これから先、企業として目指す道を描いた企業プロモーション活動であり、それゆえ社長直下で進めてきました。その推進には、社内の理解と意識変革が必要になります。外部のイノベーションファームの協力も得て、コンサルテーションだけでなく、コンセプト設計やコンテンツ開発などの具体化を共に進めました。

 これは私の経験からですが、江崎グリコに限らず、日本企業にありがちなこととして、何かをやることに全力投球し、取り組んだことだけに満足してしまうということがあります。担当者は一生懸命に取り組んでいるのに、社外では知られていないし理解もされていない、社内も実は知らない、というケースが少なくありません。それが非常にもったいないと感じています。

 そこで私は、江崎グリコのストーリーを知ってもらうことにこだわりました。「なぜ江崎グリコがこのような活動をしているのか」「江崎グリコはこういう会社である」ということを、きちんと世の中にコミュニケーションすることで、一般生活者だけでなくあらゆるステークホルダーに、江崎グリコの理解者やファンを増やし、「GOOD LIFE CIRCLE」のプロジェクトに参加したい、さらには江崎グリコと関わり一緒に取り組みたいと思ってもらえるようにすることが、企業プロモーションにとっては何より大切だと考えています。

―― 最後に、「GOOD LIFE CIRCLE」の今後の展望を教えてください。

 江崎グリコでは、「発育・栄養の最適化」「成長の支援」「運動能力の強化」「脳機能の向上」「ヘルシーエイジング」といった5つの領域を定め、それに紐づけて、「すこやかな毎日、ゆたかな人生」という存在意義の実現に向けた研究を進めており、第1弾は「運動能力の強化」の領域から、「疲労」に着目したイベントを開催しました。

「GOOD LIFE CIRCLE」は、お客様に対して新たな生活習慣の提案であり、江崎グリコにとってはお客様のデータを新たなソリューション開発に活かすきっかけとするフィードバックループ型の取り組みです。このフィードバックループという考え方を大切にしながら、次回どのようなテーマ、どのようなコンテンツを皆さんにお届けするか、社内では議論が始まっており、ワクワクしています。

 人々の「すこやかな毎日、ゆたかな人生」の実現を目指す江崎グリコとして、健康価値とおいしさ価値の両方を実現する商品やサービス・情報を提供し、たくさんの生活者に喜んで頂けるよう、全社で取り組んでいきたいと思います。

 
Glico 企業広告 GOOD LIFE CIRCLE「からだのグリコ」篇(30”)

 先日、「GOOD LIFE CIRCLE」をテーマとした企業広告を制作しました。創業以来ずっと人々の健康に向き合ってきた企業姿勢を表現し、江崎グリコがこれからも食の事業を通じて人々のゆたかな人生の実現に貢献することを宣言しています。江崎グリコの商品を食べて頂くことで、私たちの想いがより伝わることを願っています。

―― 今後の「GOOD LIFE CIRCLE」の展開が楽しみです。本日はありがとうございました。
  
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