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レノボ、クレディセゾンがスポーツのファンダムを生かしたマーケティング施策を紹介【DAZN FANDOM SUMMIT 2025】

 スポーツチャンネルを運営するDAZN Japan Investmentは6月11日、広告主を対象にしたイベント「FANDOM SUMMIT 2025」を都内で開催した。

 スポーツから生まれるファンの熱狂や共感は、企業やブランドの価値創造や価値向上につながる可能性を秘めていることから、ファンダム(特定の趣味などにおける熱狂的なファンの集団)を活用したマーケティングの取り組みにも注目が集まっている。

 イベントの冒頭、DAZN Japan CEOの笹本裕氏は「ファンダムを広げていくこと、小さなファンダムやトライブ(共通の趣味や嗜好を持つ集団)を深掘りしていくこと、またファンダムの熱量を可視化していくことを通して、マーケターの皆様にファンダムと結びつきを持ってもらえるようにしていければと思っている」とあいさつした。

 またイベント内では、レノボ・ジャパンとクレディセゾンがファンダムの活用事例を紹介。参加者は各社の取り組みに耳を傾けた。

 

レノボは新幹線車内でF1ファン向けイベント

 レノボ・ジャパンCMOの竹内早穂子氏は、モータースポーツであるF1のスポンサーシップを通したファンダム活用を説明。4月に開催されたF1日本グランプリに合わせ、鈴鹿サーキット(三重県)へ向かう新幹線の車両を貸し切ってファン向けのイベントを実施したことを紹介した。

 竹内氏はイベントを振り返り、「鈴鹿サーキットだけの接点ではなくて、より熱量のあるファンダムとつながることができたのが、我々のブランドにとっても有意義だったのではないか」と語った。

 また、レノボは国際サッカー連盟(FIFA)にもスポンサードしており、竹内氏は「我々もどんなふうにファンダムとつながっていく企画をこれからつくっていこうかとワクワクしている」とも述べた。

クレディセゾンはW杯出場を決めた瞬間の“熱中モーメント”を活用

 続いて、クレディセゾンの川口裕太氏が、サッカーファンの熱狂が最高潮に達する瞬間におけるブランド認知向上の取り組みを説明した。

 クレディセゾンはブランド戦略に「熱中モーメントの活用」を掲げており、スポーツの試合などファンが熱中する瞬間にセゾンブランドを重ね合わせ、共感と認知を深めることを目指しているという。

 具体的には、サッカー日本代表がワールドカップ(W杯)出場を決めた際に、中継映像に広告を出した事例を紹介。

 ファンの気持ちが一番高まる瞬間にブランドを露出し、「商品を買って」というメッセージではなくW杯出場を祝福するメッセージを出すことで、ファンと感情を共有する戦略を取っていると説明した。

 ファンにとって特別な時間に寄り添うことで、記憶に残るブランディングを目指したという。

 DAZN Japanは2月にAIを活用した熱狂連動型広告「Moment Booster」をローンチ。5月には博報堂と「感情」を起点にしたビジネス開発で戦略的提携契約を結んでいる。

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