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日本人は「どっちつかず」? 人生・消費・環境への意識低さ目立つ アジア6ヵ国調査
「そう思う」など積極的な回答の割合が低い日本
クロス・マーケティンググループは9月4日、日本、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピン、インドのアジア6ヵ国の各国200人(20~69歳の有識者)を対象として、生活意識や景況感、消費実態について調査した「アジア6か国における消費実態・生活意識調査」の結果を公表した。(調査時期:2025年7月)
それによると、日本はキャリアアップや環境に対する価値観や景気についての意見を聞いた全ての質問で「どちらともいえない」という回答が多かった。「そう思う」という積極的な回答が多く、実際の成長率との相関をうかがわせるインドやインドネシアなどの国とは対照的だ。その結果、景気に対する実感や将来への期待、自身のキャリアアップへの意識、環境への配慮といった項目で、日本はアジアの中で低さが際立つ結果となった。
(図表1)社会や景気に関する意見で「そう思う」と回答した割合
※「そう思う」「どちらかといえばそう思う」「どちらともいえない/わからない」「どちらかといえばそう思わない」「そう思わない」の5段階評価で聞き取り

オンライン消費はインドが主導
また、消費における購入方法についての質問では、「生鮮食品」「生鮮食品以外の食品」「日用品・雑貨類」「衣服」の全てで、日本は「実店舗」が次点の「ECサイト」を大きく引き離してトップになった。同じく全項目で「実店舗」がトップになったフィリピンとともに、オンラインよりも実店舗が依然として強い存在感を維持していることが分かる。
(図表2)「衣服」の購入方法

クロス・マーケティンググループによると、インドでは近年、生鮮食品をオンラインショップで購入し、10分以内に配達可能な業者の参入も進んでおり、実際、今回の調査でもオンラインショップやデリバリーの利用が他国よりも盛んな傾向が見られた。オンラインショッピングの活用が6ヵ国で最も進んでいる国と言えるだろう。
一方、ベトナムでは「衣服」の購入は「ソーシャルメディア」が主流になっているなど、アジア各国で購入チャネルの多様化が進み、商品のカテゴリーごとの棲み分けも見受けられる。
6ヵ国で唯一のOECD加盟国である日本の成熟した市場と、インドをはじめとして著しい発展途上にある他国を同一に比較するのは難しいが、調査では景況感やキャリア志向、オンラインの進展において、全体的に日本の消極性が目立つ結果となった。
社会や景気に関する意見をポジティブに転じることは、マーケティングの力だけでは困難だろう。ただ、新たなサービスや購買チャネルに対する日本人の積極的な姿勢を引き出すには、ハードルを下げるようなコミュニケーションが鍵になるかもしれない。
※図表の出典はクロス・マーケティンググループ リリース
サムネイルの画像の出典は123RF