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Z世代の8割が「ビジュアルコミュニケーション」重視、現実とのギャップも Canva最新調査

 

ビジュアルの効果を科学的にも実証


 オーストラリア発のオンラインデザインツール企業Canvaは9月10日、職場におけるビジュアルコンテンツの効果や課題を調査した年次調査レポート「ビジュアルコミュニケーションの現在地」を発表した。

 本調査は米国、英国、オーストラリア、インド、フランス、ドイツ、スペイン、日本の8ヵ国のビジネスリーダーとZ世代のビジネスパーソンの計2475人を対象に実施。それによると、働くZ世代の89%が「視覚的に業務を行う方がより高い成果を上げられる」と考えており、82%が「ビジュアルコミュニケーションのスキルは将来のキャリアを築く上で不可欠」と認識していた。

 ビジネスリーダーの87%は「ビジュアルコミュニケーション不足は企業全体で業務の遅延や混乱につながる」と回答しており、業務におけるビジュアルコンテンツの重要性が若い世代を中心に増している実態が浮き彫りになった。

 また、定常状態トポグラフィー(SST)という神経科学の手法で、63人のビジネスパーソンがさまざまなビジネスコンテンツを閲覧した際の脳活動をリアルタイムで追跡したところ、質の高いビジュアルコンテンツを用いた場合、単調なデザインを用いた場合に比べて以下のような効果が確認された。

・記憶の初期段階にあたる符号化(エンコード)速度が74%向上
・文書に対する感情的な反応強度が26%増加
・視覚的なプレゼンテーションに対する感情的な反応強度が21%増加

 Canvaは「優れたビジュアルコンテンツが職場において効果的である理由を科学的に実証した」としている。
 

「ビジュアル重視」対応が生産性やチームワークを左右


 一方、調査ではZ世代のほぼ全員(99%)が「仕事における創造性を阻害する障壁がある」と回答しており、大半はツールの非効率性を理由に挙げた。また、自社を「デザイン主導」と自負する企業は22%に留まり、若い世代が理想とするビジュアル重視の働き方と、現実とのギャップも明らかになった。

 逆に「従業員の自然な働き方に合わせてコミュニケーションインフラを整備した企業」は、「複雑なアイデアの伝達がより明確かつ効率的になった」(66%)、「ブランドの結束力と差別化が強化されている」(61%)と回答したといい、ビジュアルコミュニケーションへの投資が効率性やチームワークの向上につながることが示唆された。

 Canva Japanのカントリーマネージャー 高橋敦志氏は、特にビジュアル文化が発展している日本においては「ビジュアルコミュニケーションの重要性が一段と高まっており、デジタル化やAI化が加速する中で、リーダーたちは『チームがどうつながり、どう協働していくか』をあらためて考える機会を得ている」と指摘。AIによって業務スピードやパーソナライズ精度が向上する中、ビジュアルコミュニケーション基盤への投資やAI活用環境の整備が、今後の企業の業務遂行にとって欠かせない要素になると強調した。

 Canva はデザインの知識や経験がなくても、ネット上でテンプレートや画像、文字などを選んでプレゼン資料やチラシ、SNS投稿用のグラフィックなどを作成できるオンラインデザインツール。世界190ヵ国以上で2億4000万の月間ユーザーが利用し、年間収益は30億ドルにのぼる。

※サムネイル画像の出典は123RF

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