マーケティングにおけるスポーツコンテンツの価値 #03

【決定版】スポーツビジネスにおける5つのプレイヤー、有益なパートナーの見つけ方(アビームコンサルティング 久保田圭一)

スポーツコンテンツ・マネタイズの2つの方向性

 スポーツコンテンツを活用したマネタイズの方向性は、「権利化」と「データ活用」による価値創出がある。企業とマーケティングにおけるスポーツコンテンツの活用について討議すると、概ねこの2つが話題になることが多い。
 

【権利化】

 「スポーツビジネスは権利ビジネス」とよくいわれる。試合の放映権、選手の肖像権、グッズなどの商標権は知られているが、スポーツコンテンツを活用して新たな権利をつくることも可能である。例えば、選手のフィジカルデータの経年蓄積データを使用する権利や、放映権を持っている企業から映像を加工して付加価値をつけて売ることもできる。チームが持っているファンのデータを使ったデータ販売ビジネスも可能性がある。

 このようなコンテンツホルダー(リーグやチーム)が持っている権利を活用したビジネスを始めるには権利マネジメントに精通したパートナーが必要となる。現状では広告代理店、プロダクション(マネジメント会社)であろう。
 

【データ活用】

 データドリブンという言葉が流行する中、スポーツにおいてもデータ活用は注目されている。例えば、する人(=アスリート)のパフォーマンス、フィジカル、メンタル、コンディション、遺伝子などのデータを収集することが容易な時代になり、各データの相関を分析できる。「朝食にパンを食べている子どもは、足が速い」という結果が得られれば、そのデータをパンメーカーのプロモーションに活用する企画が売れるかもしれない。



 みる人(=観客)の属性情報(年齢、性別、居住地など)、購入したグッズ・飲食、購入タイミングなどを分析し、属性別のプロモーション企画を売ることも可能となる。こうした取り組みは、データ管理ツールを提供する企業、データ分析企業が推進している。自社の顧客データと連携して何かをしようとする場合には、データ分析企業に相談するのが良いだろう。

 また、データ分析を自社でできる場合においては、大学と連携するのもひとつの手である。学生に難題を与えてヒントをもらうこともできるし、大学と連携した研究というのは、お墨付きとしても有効である。
 

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