CATCH THE RISING STAR #35
「万博レガシービジネス」に取り組むBIPROGYの若き事業開発担当が目指す、Slerがエンドユーザーに直接貢献する未来
2026/02/12
企業におけるマーケティングの役割と重要性が増す一方、「マーケターの仕事はAIに奪われるのでは」とも囁かれる昨今。そんな変革期にマーケティング領域で働く若者は何を考え、どう行動しているのか。
次世代を担う「ライジングスター」にフォーカスし、彼らの多彩な思考や行動を探ることでマーケティングの近未来を照射するAGENDA Note.の本連載。35回目となる今回は、大阪・関西万博で「ミライのヘルスケア」を展示して注目を浴びた「大阪ヘルスケアパビリオン」で、パビリオン内のデータ連携システムを提供したことでも知られるBIPROGY(旧・日本ユニシス)の馬場柚里氏を取材した。入社以来、一貫して「ヘルスケア領域の事業開発」に取り組む馬場氏が、万博、そして「万博レガシービジネス」を通して実現したいSler(システム・インテグレータ)の未来とは?
次世代を担う「ライジングスター」にフォーカスし、彼らの多彩な思考や行動を探ることでマーケティングの近未来を照射するAGENDA Note.の本連載。35回目となる今回は、大阪・関西万博で「ミライのヘルスケア」を展示して注目を浴びた「大阪ヘルスケアパビリオン」で、パビリオン内のデータ連携システムを提供したことでも知られるBIPROGY(旧・日本ユニシス)の馬場柚里氏を取材した。入社以来、一貫して「ヘルスケア領域の事業開発」に取り組む馬場氏が、万博、そして「万博レガシービジネス」を通して実現したいSler(システム・インテグレータ)の未来とは?
万博担当者として、全パビリオンを制覇し「万博マスター」に
――入社の経緯を教えてください。
学生時代は農学部で動物の免疫に関する研究を行い、大学院の修士課程を修了しました。就活では、あらゆるビジネスにおいて重要性が一層高まるITシステムの開発・提供を担うSler(システム・インテグレータ)を中心に見ていました。数あるSIerの中でも、大規模なシステムに携われるだけでなく、自社が主体となって新規事業を創出し、新しい未来に向かって価値提供していく姿勢を明確に打ち出していた当社(当時は日本ユニシス)に惹かれ、2020年に総合職として入社しました。
総合職社員の多くは、入社後は営業またはシステムエンジニアとして初期配属されます。私も面接で「営業向きだね」と言われていたので営業に配属されるものだと思っていたのですが、実際には新規事業開発を担う部署に配属され、驚きました。そのまま6年間、一貫してヘルスケア領域の新規事業開発に従事しています。
BIPROGY 事業開発本部 事業推進三部 ヘルスケア推進プロジェクト 主任
馬場 柚里 氏
馬場 柚里 氏
―― これまでのお仕事内容と、印象に残ったプロジェクトを教えてください。
1年目は熊本県内の自治体との産学官連携による健康増進事業を担当しました。とある実証実験をまるっと任せていただいたため、コロナ禍の真っ最中でしたが、感染防止策を取ったうえで月に一度は現地に赴き、地元の方と密にコミュニケーションをとりました。2年目は熊本案件の担当を続けながら、新規事業開発の実践力を養う外部の研修に参加したことが印象に残っています。3ヵ月ほど負荷の高い研修に取り組み、22名いる受講生の中で1位という評価を頂いたことは、自信につながりました。
3年目からは、当社のヘルスケア事業の起爆剤としてこの上ない好フィールドになると見込み、大阪・関西万博「大阪ヘルスケアパビリオン」に携わり始めました。パビリオンの展示システムの設計・開発・運用保守案件の獲得という営業的な仕事と、展示システムの一部となるデータ連携システムの現物協賛を通じた事業企画というマーケティング的な仕事の両方を担当しました。そして4年目にはより地元密着でコミュニケーションできるよう、自ら志願して大阪へ転勤しました。万博案件はとにかくステークホルダーが多く、日々発生する課題解決の難易度が高かったのですが、パビリオンに関わる方々と合意形成するためには何が必要か、自分で仮説を立てて、必要なプレーヤーを巻き込みながら進めていくスキルを身につけました。
万博が無事に閉幕した今は、万博で提示したミライのヘルスケア体験を「万博レガシー」として継承し、きちんとマネタイズして事業運営していけるよう、取り組んでいるところです。パビリオンで人気だった「カラダ測定ポッド」を駅で商用化した「DotHealth カラダ測定サービス」をはじめとして、生活者の日常動線上にヘルスケアを溶け込ませる環境づくりを進めています。
――万博といえば、開幕前は風当たりが厳しかったですが、始まってからは大盛況でしたね。カラダ測定ポッドで健康状態を測定・可視化し、さまざまなミライのヘルスケアを体験する「大阪ヘルスケアパビリオン」も予約困難なほどの人気でした。「中の人」としては、どのようにご覧になっていましたか?
そうですね。もともと、生活者の方の健康データを活用して、パーソナライズされたヘルスケアサービスを提供する新規事業を始めようとしていたところ、万博でピッタリのコンセプトのパビリオン計画が進んでいたため、参画したという経緯があります。万博が失敗してしまっては、その先のヘルスケア事業につながる「レガシー」にならないので、絶対に成功させなければなりませんでした。
当時の万博に対する逆風は相当なものでしたが、「来てくれれば絶対に楽しいはず」と確信していたので、担当者の自分が宣伝して、まずは一人でも多く万博ファンを増やそうと考えました。社内のSNSに万博コミュニティを立ち上げて、大阪ヘルスケアパビリオンのことだけでなく、おすすめのパビリオンや、予約抽選のコツ、混雑する時期といった情報も積極的に発信しました。これは、大阪に転勤してきて知り合いの少なかった自分にとって、「万博」をフックとして社内のいろいろな人と知り合うきっかけにもなりました。また、万博内の全パビリオンを制覇するという目標を立て、200個以上に及ぶ公式スタンプラリーを達成したことも、パビリオンにご招待したお客さまのアテンド対応をする時などに「ネタ」として重宝しました。当社きっての「万博マスター」になることで、自分のユニークさを出せたのではと思います。




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