CATCH THE RISING STAR #37

NTTドコモの新規コマースサービスをゼロから立ち上げた若きマーケターが切り拓く新しい「ワクワク感」

前回の記事:
カンロ若手マーケターが「ピュレグミ」に落とし込むインサイト 文化人類学で鍛えた「とことん突き詰める力」が武器
 企業におけるマーケティングの役割と重要性が増す一方、「マーケターの仕事はAIに奪われるのでは」とも囁かれる昨今。そんな変革期にマーケティング領域で働く若者は何を考え、どう行動しているのか。

 次世代を担う「ライジングスター」にフォーカスし、彼らの多彩な思考や行動を探ることでマーケティングの近未来を照射するAGENDA Note.の本連載。37回目となる今回はNTTドコモの若手マーケター・小川滉稀氏に取材。新規コマースサービスをゼロから立ち上げた先に見据える、新しい価値創造とは。
   

泥臭さの連続だった0→1の挑戦


―― 入社した経緯を教えてください。

 中学生の頃、初めてスマートフォンを手にしました。その時に感じた「ワクワク感」や「未来っぽさ」は、今でも強く心に残っています。自分も、誰かにそんな感覚を届ける側になりたい。そう考え、早い時点からネットサービスを扱う企業への就職を志しました。大学在学中はその一歩として、インターン先のスタートアップ企業でウェブ開発の経験も積んでいます。NTTドコモを志望したのはユーザー数が多く、大規模なネットサービスであることに魅力を感じたためで、現在は入社6年目です。

―― これまでの業務内容を教えてください。

 入社以来ずっと、ドコモのスマートライフ事業、「dポイント経済圏」拡大の業務に携わっています。3年目頃まではデジタルマーケターとして、「Lemino」「dアニメストア」「dマガジン」「dヘルスケア」などのドコモのサービス全体の新規ユーザー獲得や継続を目的とした施策を横断的に担い、キャンペーンの企画・実行や、CRM・プロモーションによるユーザーコミュニケーションなどを行いました。顧客起点のデジタルマーケティングへの構造改革の推進も経験しています。

 ドコモは通信事業以外にもd払いやdカードといった決済系、dアニメストアやdマガジンなどのコンテンツ系など、多岐にわたるサービスを展開しています。私は、そうした各サービスを個別に見るのではなく、「オールドコモ」として横断的にデジタルマーケティングを行うことで、たとえばdカードをお持ちのお客さまに、その方の興味関心やライフスタイルに合った他のコンテンツやサービスもご紹介するといった形で、お客さまとドコモ全体とのエンゲージメントを高める価値提供を担っていました。
 
NTTドコモ コンテンツサービス部 コマース室 コマース戦略担当
小川 滉稀 氏

―― 現在はどのような業務内容でしょうか。

 「dポイントマーケット」という新しいコマースサービスを立ち上げから担当しています。もともとドコモには「dショッピング」があり、これはAmazonや楽天市場に近い、いわば王道のECモールです。それに対して「dポイントマーケット」は、いわゆるアフィリエイト型のサービスです。

 たとえば家電量販店のECサイトで直接商品を購入すると、その店舗のポイントが付与されますよね。一方、購入前にdポイントマーケットを経由すると、店舗のポイントに加えてdポイントも受け取ることができます。お客さまにとっては「買い物するときに経由するだけでdポイントがもらえるサービス」です。また加盟店側も手数料を支払うことで、dポイント会員という大きな顧客基盤にアプローチできます。双方に価値を生む仕組みです。

 私にとってこのサービスを0→1で立ち上げたことは、それまでデジタルマーケターとして取り組んできた仕事とはまったく異なる、大きな経験でした。現在はマーケティングとプロダクトの戦略から実行までを行っていますが、ローンチ当初は開発管理も含めたプロダクトマネージャーのような役割も担いました。すでにお客さまがいて、画面やシステムがあってその活用方法を考える従来の業務とは違い、そもそもの土台をつくるところから関わったのです。

 具体的には、UIデザインの検討からプロジェクトマネジメント、APIやログの設計といった細かな部分の意思決定を担いました。またチームマネジメントや不足しているリソースを補うための人集め、KPIの設計やグロースモデルの検討なども行いました。ホワイトボードにイメージ図を描いたりしながら、メンバーと議論を重ねたのを思い出します。

 新規事業やサービスの立ち上げについて、以前は勝手にキラキラしたイメージを持っていましたが、実際には案外、泥臭い業務の連続なのだなと感じました。社内外に多くのステークホルダーがいるので、失敗や遅れが許されないプレッシャーはありましたが、こうして企画から実行まですべてに携わり、無事にリリースできたことは、非常にワクワクした経験として印象に残っています。

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