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電通が「企業の変革に関する従業員意識調査」を発表 「ポジティブ・ミドル」の活躍がカギ
「推進」は回復傾向も、「消極」が依然として過半数に
電通は4月21日、全国の大企業に勤める20~59歳の600人と経営層100人、ミドルマネジメント(課長・部長級)層200人の計900人を対象に実施した第3回「企業の変革に関する従業員意識調査」の結果を発表した。
2021年に始まった本調査は今回で3回目。AI、DX、新規事業、SDGsなど、企業が取り組むさまざまな変革について従業員がどのように受け止めているかを明らかにし、経営層やマネジメント層、現場従業員が一体となった企業変革の実現に寄与することを目的としている。特に企業変革の重要な担い手となるミドルマネジメント層に焦点を当て、その貢献に必要な条件を読み解く。
調査では、自社の変化に対する姿勢や基本的な就業意識などの観点からクラスター分析を実施し、自ら積極的に変化に飛び込む「変革推進層」、自らは進めないが変革の必要性を理解している「変革フォロワー層」、変革に関心は高いが不安も大きい「現業と変化の狭間でもがく層」、能動的な姿勢に乏しい「変革他人事層」、目の前の業務にしか関心のない「結局のところ現業肯定層」、受け身で消極的な「就業消極層」の6タイプに分類している。
前回、2023年11月に実施された調査では、前々回2021年12月の調査に比べて、変革に対して積極的な「変革推進層」「変革フォロワー層」「現業と変化の狭間でもがく層」が61.7%から36.5%へと激減した。コロナ禍の影響が考えられるが、今回の調査でもこの層の合計は37.6%と微増にとどまっている。ただ、内訳を見ると「変革推進層」は前回から3ポイント以上増加して15.3%となっており、電通は「全体として変革への意識は回復している」と評価する。
一方で、前回調査で最大だった「変革他人事層」(26.5%)は依然として最多になり、「就業消極層」も22.2%を占める。企業変革に消極的な層が半数以上を占める結果になった。
(図表1)

自社の変革について「情報発信されている」という回答は、前回より5ポイント以上上がっており、積極的に情報共有はされている模様だ。しかし、呼応して行動を起こしている社員は微増の22.7%となり、「変化の動きは理解しているが自分自身はまだ行動に移せていない」という22.9%を下回った。4割以上の社員は行動に移せておらず、「うまくいかないのではないか」「正直ついていけない」「現業に集中」「そもそも関心がない」といった否定的な感情を抱いていることが浮き彫りになった。
否定的な感情の背景には、「変革案が理解・浸透されていない」「直接的な人事評価につながらない」「きちんと変化の道筋が示されていない」といった理由が挙げられた。
(図表2)

変革のカギはミドルマネジメント層に
課長・部長級のミドルマネジメント層が企業変革に貢献しているかどうかについて問うと、ミドルマネジメント層自身は57.7%が「貢献している」と自己評価。経営層に至っては66.0%が貢献を評価した。一方で、一般社員層がミドルマネジメント層に対して「貢献している」と評価したのは26.5%に留まり、評価のギャップが目立つ結果になった。
また、企業変革に対してミドルマネジメント層自身が意識する役割と、一般社員が彼らに求める期待役割との違いも明らかに。「部下にとって心理的安全性の高い環境を整える」という役割については、ミドルマネジメント層の意識と一般社員層の期待が高いレベルで一致したものの、変革にとって重要なポイントとなる「未来への構想やビジョンを持つ」「他部門・多職種のマネジメント層と連携した共創推進」「チームのプロセス管理や成果の可視化」といった項目では、一般社員からの期待値が相対的に低くなった。
(図表3)

調査ではミドルマネジメント層のAI活用状況も調査され、約6割がマネジメント業務にAIを活用しており、今後もマネジメント業務のAIによる効率化推進が予想される結果になった。
電通の担当者は今回の調査結果について、「企業変革に対する従業員の向き合い方が、引き続き二極化し『変革疲れ』が定着している」と総括。背景には、変革案が社内で十分に理解・浸透していないことや、行動が人事評価に結びつく実感が弱いことなどがあると分析した。一方で、一時は減少していた「変革推進層」が復活傾向にあることに着目し、AIの浸透など事業環境が激変する中で「自律的に動き出そうとする人が増えてきた」とも指摘する。
また、今回フォーカスしたミドルマネジメント層については、「変革を現場レベルに接続し、日々の業務に落とし込む重要な存在」と評価。一般社員からの低評価という環境の中でも、前向きに変革に取り組むミドル層を「ポジティブ・ミドル」と呼び、彼らが組織内で活躍し、熱量を伝播させられる環境づくりが、企業変革の重要ステップにつながることを示唆した。
※記事中の図表の出典は電通プレスリリース、サムネイル画像は編集部が生成AIを用いて作成




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