CATCH THE RISING STAR #42

NECの若手マーケターがBluStellar Communitiesで挑む「想起される存在へ」、信頼を成長につなげるコミュニティマーケティング

前回の記事:
メリーチョコレートの若手ヒットメーカーが突き詰める「自分が欲しくなるチョコ」
 企業におけるマーケティングの役割と重要性が増す一方、「マーケターの仕事はAIに奪われるのでは」とも囁かれる昨今。そんな変革期にマーケティング領域で働く若者は何を考え、どう行動しているのか。

  次世代を担う「ライジングスター」にフォーカスし、彼らの多彩な思考や行動を探ることでマーケティングの近未来を照射するAGENDA Note.の本連載。42回目となる今回は、日本電気(NEC)でエンゲージメント グロースグループに所属する北川清太氏に取材した。持ち前の熱意と柔軟性で北川氏が挑むNECのコミュニティマーケティングとは?
 

フラットな対話を通した価値共創目指す


―― 入社した経緯や業務内容を教えてください。

 前職はOA機器メーカーに営業として従事していました。コロナ禍のタイミングで「新たなチャレンジをしてみたい」と、ITサービスから社会インフラまで多岐にわたる事業を展開しているNECに転職しました。

 入社してまずは総合商社などを担当する営業部門に配属となり、2年ほど営業を経験しました。その後、体験型共創空間であるEBC(エグゼクティブ・ブリーフィング・センター)とコミュニティの2つのタッチポイントを軸に、顧客とのエンゲージメントを高めるマーケティング部門へ異動となりました。そこではコミュニティ担当として「BluStellar Communities(ブルーステラ コミュニティーズ)」に立ち上げから携わっています。

 「BluStellar Communities」は、NECと参加メンバーが対話を通じて課題を発見し、新たな価値の共創と互いの成長を促すことができるコミュニティです。メンバーは現在280人(2026年5月末時点)ほどで、NECの既存顧客に限らず、さまざまな企業の方々に参加いただいています。AI・データアナリティクス、web3、セキュリティなど5つのテーマで構成され、テーマごとにその領域の事業部が「オーナー」となり、マーケティング部門と共同で推進する運営体制をとっています。

 私はマーケティング部門としてBluStellar Communities全体の戦略策定を担いつつ、いくつかのテーマコミュニティを直接担当しています。各事業部と連携し、事業戦略に沿ったコミュニティ運営の方向性を定めるほか、コミュニティマネージャーとして日々のコミュニケーションや、活性化に向けた企画立案などにも取り組んでいます。
  
NEC フィールドマーケティング統括部 エンゲージメント グロースグループ 主任
北川 清太 氏

―― 従来、BtoCのイメージが強かったコミュニティマーケティングは、近年はBtoB企業でも活発化していますね。1899年創立の老舗IT企業であるNECでも、コミュニティマーケティングは重要なのでしょうか。

 近年のデジタル化や事業環境の変化を受け、NECではマーケティング変革の一環として、顧客との関係性を深化させ、ビジネス成長に貢献する戦略的なアプローチを進めています。「購買プロセスの約7割は営業接点前に終了する」と言われる現代、企業が顧客を説得するのではなく、自然と「想起される存在」になることが重要です。そのため、継続的な関わりを通じて顧客の心に残るコミュニティマーケティングへの期待が高まっています。

 NECでは長年、「ユーザー会」という交流の場を設けてきましたが、顧客ニーズの多様化や意思決定の複雑化の背景もあり、より具体的な課題解決や、事業成長に直結する価値提供が求められるようになりました。そこで2023年、60年の歴史を持つユーザー会を発展的に解散し、顧客との共創によって双方のビジネス成長を加速させる戦略的コミュニティ「BluStellar Communities」を始動させました。

 一般にコミュニティマーケティングは、顧客創造・顧客育成・顧客理解を通じて想起を形成する、合理的なビジネス手段として定義されています。BluStellar Communitiesは、その定義をベースに、異業種交流による多様な視点での価値共創とエンゲージメント強化を目指し、参加メンバーとともに共通のテーマで議論を深め、互いのビジネスを高め合っていく活動を行っています。

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