CATCH THE RISING STAR #42

NECの若手マーケターがBluStellar Communitiesで挑む「想起される存在へ」、信頼を成長につなげるコミュニティマーケティング

 

コミュニティで育む「想起される信頼関係」


―― 具体的にはどのような活動をしているのでしょうか。実際に商談につながったケースもあるのですか?

 テーマごとに頻度や内容は異なりますが、おおよそ2か月に1回のペースで活動しており、メンバーの関心やトレンドに合わせ、最新動向の共有、各社の取り組み紹介、ディスカッション、ネットワーキングなどを中心に企画しています。また、リアル開催をメインとすることで、対面ならではの活発なコミュニケーションと、その場でしか得られない価値ある情報の共有を大切にしています。

 これまでの活動で商談やビジネスにつながったケースはすでにいくつか生まれています。たとえば、同じ課題を持つメンバーが本音で議論する中で自社の課題を再認識し、具体的な相談や提案へと発展した事例がありました。また、継続的な活動による関係深化が、新たな人脈や別領域でのビジネス機会へとつながった事例や、共創の観点ではコミュニティ内に特定の課題や目的に特化したワーキンググループを立ち上げ、具体的な実証へと発展した事例などもあります。

 コミュニティ運営において常に意識しているのは、参加メンバーに新たな知見や気づきを持ち帰ってもらうことです。私たちが目指すのは、一方的な関係を築くことではありません。NECも一メンバーとして同じ目線に立ち、自社の課題や事例をオープンに共有しながら、参加メンバーとともにビジネス成長を目指せる場でありたいと考えています。コミュニティ活動を通してどのような価値を届けられるか、そして築かれた信頼を土台にいかにビジネス機会を創出できるか、その可能性を模索し続けていきたいです。

―― 専門性の高いメンバーが集まるコミュニティを運営するのは、ご自身の知識や経験も問われそうですね。北川さんは元々、ITやテクノロジーに関して専門的な素養をお持ちなのですか。

 いいえ、ずっと文系人間です(笑)。現在、BluStellar Communitiesのテーマのひとつであるweb3コミュニティを担当しているのですが、web3についても、コミュニティに関わるようになって初めて本を読んだり、セミナーを聴講したりして学び始めました。今も日々、勉強中です。

 また、仕事と直接の関係はありませんが、幼少期から数年前まで続けていた剣道が、マーケティングに興味を持つきっかけのひとつになったと思っています。相手のタイプを見極めるための分析や、どう戦うかを考える戦略面の面白さは、マーケティングの仕事でも感じることが多いです。

―― 今後の短期的・中長期的な目標を教えてください。

 BluStellar Communities全体の戦略を考えるうえで最も難しいのは、「ビジネスにどうつなげていくか」という点です。取り組みを始めて3年ほど経ちますが、まだコミュニティの活動や、コミュニティマーケティングの必要性自体が社内にも十分に浸透しているとは言えない状況です。

 コミュニティ活動は数値化しにくい価値も多く含んでいるため、「どの価値が、どのようにビジネスにつながっているのか」を証明しづらいという難しさがあり、正直なところ、まだ手探りの部分も多いです。ただ、いくつかの成功事例から、ある程度の「型」が見え始めてきています。こうした可視化できる成果や具体的なビジネス貢献事例をできるだけ整理し「型」化すること、また、それらを社内外に対して分かりやすく価値として発信していくことが、直近では必要だと考えています。

 中長期的な目標としては、コミュニティを通じてNECの信頼基盤を築いていくことです。コミュニティに参加している期間だけでなく、離れた後も「参加してよかった」と感じてもらい、その後も自然とNECを想起してもらえるような関係性をつくっていきたいと思っています。

 コミュニティは、将来的な企業の成長や事業を支える「基盤」になり得ると考えています。AIやインターネットによって情報が簡単に手に入る時代だからこそ、いざというときに真っ先に思い出してもらえる存在、想起される企業として信頼を築いていくことに大きな意味があると感じています。

―― 本日はありがとうございました。
 

【上司の視点】強い意志としなやかさで新たな道を切り拓く

 
NEC フィールドマーケティング統括部 エンゲージメント グロースグループ ディレクター
萬代 由起子 氏

 「ビジネスに資するコミュニティマーケティング」という、身近に成功事例がない、正解が見えない取り組みを、試行錯誤しながら続けてきていますが、3年でようやく数値的な成果もぐっと増えてきました。また、昨年度はあらためて我々が目指すコミュニティについて徹底的に議論し、BluStellar Communities の解像度を上げ、戦略の立て付けを強化しました。

 その戦略策定を机上の空論ではなく、現場から感じている課題感をもとにリードしてくれたのが北川さんです。コミュニティマーケティングは進め方の道しるべもないので、自ら設定したゴールに向かって道を切り拓いて突き進む強い意志と、状況に応じてゴール設定や歩くべき道を見直す柔軟性の両方が必要です。北川さんは、まさに剣士のようなしなやかさと強さを併せ持っていて、さらに使い分ける器用さもあります。

 今、目指しているコミュニティマーケティングの「型」化の次は、そのノウハウや営業経験も生かし、あらゆる顧客タッチポイントを巻き込んだマーケティングスキームの策定など、さらに活躍のフィールドを広げながらNECの事業成長の「仕組み化」を担う人材になってほしいです。
  
週末に幼い子どもたちと公園で遊ぶのが息抜き。仕事とは違う時間を過ごすことが、平日の頑張りにもつながっている。
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