CATCH THE RISING STAR #43

「ネスカフェ アイスブレンド」をローンチから主導、ネスレの若きマーケターの「量と質を確保し、成功体験を共有する」チームマネジメント

 

「溶けやすさ」は最初、訴求ポイントじゃなかった


―― ネスレではブランドマネージャーの裁量が大きいとのことですが、確信を持って戦略を思い描いて進めるのは簡単ではないと思います。尾崎さんはどのようにして戦略を立案し、施策に落とし込むのですか。

私は自分の強みのひとつに、発想力があると思っています。入社式のキットカット企画のように、ビジネスチャンスにつながる斬新なアイデアを考案して形にするのは、比較的得意かもしれません。会社としてもブランドマネージャーのアイデアや方針を尊重してくれる文化があり、強みを伸ばしやすい環境だと思っています。

ただ、強みと自負しているからこそ、常にそのアイデアを疑うというか、「生かし方」を考えています。多くのリソースを巻き込む以上、できれば成功させたいですし、結果にこだわるからには自分の強みも絶対的なものではなく、生かせるツールのひとつに過ぎません。アイデアをどう生かすかは、データや検証テスト、あるいは社内外のパートナーの専門性と連携させて、「仮説」を「確信」へ、そして「成果」へとつながるように磨き上げることを意識しています。

たとえば「ネスカフェ アイスブレンド」の場合、当初は「本格的なアイスコーヒーであること」を軸に訴求しようと考えていました。それは製造チームと一緒に美味しさを追求してきた背景があっての自然な流れだったのですが、いざコミュニケーションを考える段階になって立ち止まり、そのポイントで訴求した場合と、「溶けやすさ」で訴求した場合とで消費者テストを行うことにしました。その結果、後者を訴求した方が強くインパクトを残せることが分かり、訴求の軸を変えました。

仮説をデータで裏付けたことで、先ほどお話した目線合わせのキックオフでも、確信を持ってビジョンを共有することができました。「溶けやすさ」というブレない軸が決まったことで、施策もそれに沿ってブラッシュアップさせられます。単なる機能説明にならないよう、伝え方にエンタメ性をつけたいと考えて企画したのが、今年の「NESCAFÉ APARTMENT #隣人と溶けるアイスコーヒー」です。体験することで商品に思い出が付加され、お客さまがご自宅でもその思い出とともにアイスコーヒーを楽しんでいただけると考えたのです。

―― 今後の目標を教えてください。

まずは「ネスカフェ アイスブレンド」をさらに大きなブランドにしていくことが目標です。将来的には、今回の経験も生かして、マネージャーとしてチームを率いていきたいと考えています。メンバー一人ひとりの発想力・専門性を引き出しながら、成功体験を積んでもらい、それが自信や次の挑戦へとつながるような環境をつくりたい。個々の成長を後押しできるマネージャーになることを目指しています。

―― 本日はありがとうございました。
 

【上司の視点】「合意より協働、快適さより勇気を持つこと」を高いレベルで実践

 
ネスレ日本 飲料事業本部 レギュラーソリュブルコーヒー部 部長
吉永 祐太 氏

尾崎さんは「ネスカフェ アイスブレンド」のブランド構築の中で、ネスレの働き方でも特に「合意よりも協働していくこと」と「快適さよりも勇気をもつこと」を高いレベルで意識して、実践している方であると評価しています。社内外の多様なステークホルダーを主体的に巻き込み、複数回の目線合わせを通じてチームの共通認識を形成しながら、「量」と「質」を両立させたコミュニケーションを実現した点は、協働を通じて成果最大化を図るモデルケースであると考えています。また、自身の初期仮説に固執することなく、消費者テストの結果に基づいて訴求軸を柔軟に転換し、より高い成果につなげた意思決定は、現状に挑戦し変化を生み出す勇気を体現していると思います。

こうした強みは、個人としての成果創出にとどまらず、周囲を巻き込みながらチームとしてメンバーをモチベートして、成功体験を生み出す点においても非常に価値が高いと感じています。今後はこれらの強みをベースに、より複雑で規模の大きいプロジェクトや部門横断のプロジェクトチームを牽引する中で、個々のメンバーの主体性と成長を引き出し、成功体験を再現性高く展開していくリーダーへと進化し、会社への貢献をさらに高めていただくことを大いに期待しています。

趣味の旅行では、自分の感情や印象に残った出来事を意識的に振り返るようにしている。「お客さまの多様な気持ちを理解できるよう、まずは自分自身も豊かな感情を持ち、経験を蓄えたいと思っています」
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