日本の広告最新事例を世界の潮流から読み解く #70

KANEBO 新テレビCM 口紅の可能性をエモーショナルに伝えるアートのチカラ

前回の記事:
なぜ猫のカットが何度も?イエローハットのテレビCM メッセージと直接関係ない要素の効果を考える
 私は長年、多くの広告コミュニケーションの海外事例を紹介、その分析に努めているのですが、この連載では、いつもとはある意味では逆に、まず日本の話題作に目を向けて解説し、そのうえで、その意図や施策の在り方が、海外のどんな潮流と関連しているのかについて考えていこうと思います。今回は、その第70回です。
 

「美ではなく希望を語るブランド」KANEBOの、アートのチカラで魅せる新テレビCM


 髪を風になびかせながら口紅を塗る女性のアップから、「唇に輪郭を。世界にドラマを。」編は、始まります。その女性は、人気の女性アーティスト、Superfly 越智志帆さん。このテレビCMでは、楽曲『唇よ、熱く君を語れ』の歌唱も担当しています。

 口紅を塗る彼女の唇からは、色とりどりの花びらが湧き出し始めます。その花びらは風に舞い、数を増しながら、線路を行く電車の傍を、夜の高速道路を、高架線の脇を、街中の公園を、進んでいきます。

 その花びらが舞う中、何人もの女性が次々に登場し、口紅を塗っていきます。再び越智さんが登場して、『唇よ、熱く君を語れ』の歌が始まると、画面いっぱいに「I HOPE」の文字が現れ、様々な女性たちが花びらとともに踊り出します。さらに、画面から溢れ出さんばかりの、花びらの乱舞がアーティスティックに描かれていきます。
 

KANEBO 「唇に輪郭を。世界にドラマを。」
 
 口紅は、そして化粧品は、ただ“きれいに見せる”ためだけのものではなく、それぞれの人の世界にドラマをもたらすものなのだ。そうしたKANEBOの主張が、花びらを中心とするアーティスティックなビジュアルによって、説明ではなく、気持ちで感じられる表現になっていると思いました。

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