我が社のマーケター育成方針 #01
味の素冷凍食品は「型に命を吹き込み形にする」、質的データも重視【新連載:我が社のマーケター育成方針】
2026/09/07
- 人材育成,
テクノロジーの進展や市場環境の変化によって、マーケティングに期待される役割が急速に変化・拡張する中、事業成長に貢献できるマーケター人材をどのように育てるか、苦慮する企業は多い。
アジェンダノートでは若手マーケター育成プログラム「Rising Academy powered by オプト」(オプト特別協賛)と連携し、受講生の派遣企業の責任者に取材。マーケター育成を重視する企業が、どのような方針で、どのような育成システムを採り、どのような成果や課題を感じているのかを聞いた。
アジェンダノートでは若手マーケター育成プログラム「Rising Academy powered by オプト」(オプト特別協賛)と連携し、受講生の派遣企業の責任者に取材。マーケター育成を重視する企業が、どのような方針で、どのような育成システムを採り、どのような成果や課題を感じているのかを聞いた。
【お話を伺った方】
味の素冷凍食品 執行役員 DX戦略推進部長
道祖土 征紀 氏
味の素冷凍食品 執行役員 DX戦略推進部長
道祖土 征紀 氏
―― 現在の貴社におけるマーケターの役割について教えてください。また、外部環境の変化を受けて、これからの時代に求められるマーケター像をどのようにお考えですか。
味の素冷凍食品に限らず味の素グループ全体で、マーケターは非常に大きな役割を担っています。ブランドマネージャーとしてP/L全体を担い、原料調達担当からクリエイターまで各部門のプロフェッショナルが最大限に力を発揮できるようコーディネートしながら、売上をしっかり創出して最終利益まで責任を持つ。マーケターは、いわば「オーケストラの指揮者」であり、外部環境が変化してもこの役割は変わりません。ブランドマネージャーは営業部門を経験した社員が務めることが多く、年齢で言えば30代前半~40代前半が多い布陣になっています。
「新しい価値創造」もまた、変わらずマーケターに期待される役割です。マーケティングにはさまざまな理論やフレームワークがありますが、大切なのは、生活者に届けられる価値が何かを考えて具現化し、最適な形で届けることに他なりません。そして味の素冷凍食品のカンパニースローガンである「 “FRESH FROZEN AJINOMOTO”~感動で笑顔を~」を実現すること。ブランドのトップラインを上げながら、この価値創造を同時に果たしていかなければなりません。
―― 目指すべきマーケター像に近づくために、重要となるスキルは何でしょうか。
価値創造と価値伝達を考え続ける力です。同じ商品でも提供できる価値は一つではありません。時代や環境が変わればお客さまのお困りごとは変わりますから、どんな価値を提供できるかも変わっていきます。
たとえばギョーザであれば、ある時代には「誰でも簡単に失敗なくつくれること」が大切かもしれないし、別の時代には「フライパンをひっくり返した時にパリッパリの羽根ができて家族が盛り上がること」が大事かもしれません。既存商品でもお客さまに求められる価値を考え続ける、それが核となるマーケターのスキルだと考えています。そして、そのために何よりも重要なのが「顧客理解」です。
―― それらのスキルを身につける育成の仕組みはどのようになっていますか。
味の素グループで共通するマーケティングの研修があります。新商品開発や企画立案のシミュレーション、マーケティングリサーチやプランニングなど、P/L全体に目配せしつつ、メーカーとして価値を持つ商品づくりに重点を置いたカリキュラムで構成されています。
研修にはこれまで蓄積された暗黙知を、形式知として体系化・可視化する意味も込められています。つまり「型」です。よく「守破離」と言うように、「守」なくして「破」はありません。まず全員が同じ「型」を学び、使いこなせるようになってから、だんだんと自分なりにフレームワークを構築して、「破」や「離」に至るのが理想です。
私は格闘技をやっていたこともあって、若手向けの研修などではよく、「型に命を吹き込み形になる」と話します。たとえば将棋の藤井聡太さんは、基礎となる棋譜が大量にインプットされているからこそ、新しい戦型をたくさん考えられるのだと思います。マーケティングも同じように、変わらない基本としての「型」に自分で命を吹き込んで初めて、自分なりの流儀やスタイルである「形」ができると考えています。




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