TOP PLAYER INTERVIEW #07

井上大輔氏 アウディからヤフーに電撃“出戻り”「マーケティングを再定義していく」

ヤフー、ニュージーランド航空、ユニリーバ、そしてアウディジャパンでデジタル領域のマーケティングを牽引してきた井上大輔氏。この10年間はさまざまな業種の広告主として、ブランディングからダイレクトレスポンスまでを担ってきた。そんな井上氏が2019年に新たな舵を切る。転職を決めた経緯から日本におけるマーケティングの現状、井上氏自身の2019年のビジョンについて聞いた。

ヤフー
メディアカンパニー マーケティングソリューションズ統括本部
エバンジェリスト
井上 大輔
ニュージーランド航空にてオンラインセールス部長、ユニリーバにてeコマース&デジタルマーケティングマネージャー、アウディジャパンにてメディア&クリエイティブマネージャーを経て2019年2月より現職。Advertimesにて「マーケティングを別名保存する」、週刊東洋経済にて「マーケティング神話の崩壊」連載中。著書に「デジタルマーケティングの実務ガイド」「たとえる力で人生は変わる」。
 

ヤフーへの“出戻り”を決意した理由

——アウディジャパンを退社し、ヤフーに新たな挑戦の場を求めるということですが、どのような経緯で転職を考えたのですか。

 端的に言うと、アウディには4年間いて、ひと通り業務を経験して成果を出すことができた中で、次のフェーズにいくタイミングになったということでしょうか。ヤフーのいろいろな人と食事しながらお話をする機会をもらい、マーケティングの未来について話しているうちに意気投合した、という感じです。

 それと、社外での個人的な活動が増えてきたなかで、働き方のフレキシビリティーを求めたという理由もあります。ヤフーには、私が思い描く理想の働き方をする先輩が何人もいたので。
 

——働き方を変えるということが大きかった、と。

 もともと働き方を変えようという気持ちがあったわけではないのですが、2019年からいろいろと新たなことを始めるにあたって、働き方を変えざるを得なかったという感じです。

 昨年、マーケティングのカンファレンス「Retail AGENDA(リテールアジェンダ)2018」に参加しましたが、そこでお話ししたマーケターのほとんどが、副業していたり、会社勤めとは別に自分の会社を経営していたりしていたんですよね。感覚的には6割以上。伝統的な日本企業の若手の人でも、コンサルの副業していたくらいです。

 AIに仕事が奪われる時代がくるとしきりに言われていますが、それよりもはるかに早く、特定の人に仕事が集中してしまい、逆にひとつも仕事がない人がいる時代が到来するんじゃないかと思います。

 つまり、仕事が集まる人とそうではない人の二極化が進んでいく。少なくともマーケティングの業界では、それに近い状態が生まれつつあります。それをことさらに意識したわけではないですが、結果として私もその流れにいい意味で巻き込まれています。


 

——ヤフーでは、どのようなことを担当されるんですか。

 まだ、あまり具体的なことは言えないのですが、基本的にはマーケティング、なかでも広告事業のBtoBマーケティングに従事する予定です。

 いまは100年に一度くらいのマーケティングの転換期です。100年間毎年そう言われ続けてきたと思いますが、今は“本当に本当”です。だからこそ、誰かがリーダーシップを発揮して、マーケティングを再定義してくことが求められると思うのです。

 それは学者さんではなく実務家、特に今の時代は広告主ではなく影響力のあるプラットフォーマーやメディアが担う役割だと思っています。そのほうがマーケティング業界全体の方向性を示していきやすい。それが直接的な転職の理由ですね。

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