ビジネスにイノベーションを起こす「思考法」 #22

レコメンドエンジンのコードも自ら書く、時価総額1000億円超え「一休」社長の成長戦略

まず取り組むべきは、顧客の不満をなくすこと

田岡 実際、どのような順番でWebサイトやサービスを改善していかれたのですか。
 エトヴォス 取締役 COO(最高執行責任者) 田岡敬氏 リクルート、ポケモン 法務部長(Pokemon USA, Inc. SVP)、マッキンゼー、ナチュラルローソン 執行役員、IMJ 常務執行役員、JIMOS(化粧品通販会社)代表取締役社長を経て、ニトリホールディングス 上席執行役員。2019年1月21日より、エトヴォス 取締役 COO。

榊 まずはお客さんが不満に感じている点をなくす努力をしました。例えば、広告をベタベタと貼っていたのを止める、どのお客さんにも共通で送っていたレコメンドメールを改善する、などを取り組みました。

 また、頻繁に高級な宿に行かれる方は、ご自身も立派な家に住まれているため、Webサイトでも非日常感が得られるようにしなければなりません。そこで、小さな写真でサービスをたくさん紹介するよりも「山がきれいに見えます」「お風呂が最高です」など、大きな写真1点で宿の特徴を見せるようにしました。

田岡 A/Bテストはせずに、正しいと思うことを次々と試していかれたのですね。

榊 そうです。改善すべきポイントは、インタビューを通して全てお客さまから教えていただきました。

田岡 Webサイト改善の評価として、見ていた指標はありますか。

榊 さまざまな指標を見ていましたが、特に重視していたのは、「訪問者数」「CVR(Conversion Rate)」「リピート率」の3つです。

 実はリピート率は、ヘビーユーザーを狙う場合に見方を間違えると危険な指標です。一般的にはリピートした人数を見てしまうのですが、一休のビジネスでは金額を見るべきでした。人数を見てしまうと、ライトユーザーを増やす方向に会社が動いてしまうのです。

 極端な話、1000人のうちの1人が年間で何百万円を使っていただけば良いという考え方です。

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