ビジネスにイノベーションを起こす「思考法」 #28

起業資金7億円はどう貯めた? 紆余曲折で生まれた高級バッグシェア「ラクサス」

世界展開はどうする?世界でもユニークなラクサス


田岡 ラクサスの世界展開は、考えておられますか。

児玉 視野には入っています。実は、こっそりマンハッタンで展開したことがあるんです。その際は1週間で日本の3倍以上の収益がありました。世界展開すれば、絶対に黒字になると確信しています。

田岡 バッグのサブスクリプションは、海外でもユニークなのですか。

児玉 そうです。まだ展開している会社がないので、フランスのルモンドが最初に大きく取り上げてくれて、そこからフランスのテレビ局が取材に来たりしました。日本で取り上げられるよりも先にニューヨーク・タイムズやウォール・ストリートジャーナルでも紹介されました。また、アジアからもシャアリングサービスを勉強したいということで、たくさんのインターンが来ています。



田岡 そうならば、なおさら早く展開しないと、もったいないですね。一番手で参入するのと、似たようなサービスに先を越されて二番手になってしまうのでは、イメージが全然違います。

児玉 米国では、ビザ取得の難易度が上がっているという問題もあるんです。このタイミングで展開するべきなのか、もう一度立ち止まってビジネスモデルをもっと骨太にしてから展開するべきかを考えているところです。

田岡 日本でも、まだまだポテンシャルがありそうですよね。

児玉 はい、日本国内で使われていなくてタンスで寝ているバッグの総額は、推定で3兆7,956億円、3,450万個以上(ラクサス調べ)も存在しています。

 先日、トヨタが記者発表会で自動車のシェアリングビジネスに参入することを発表したこともあって、国内メディアでシャアリングサービスが取り上げられる機会も増えています。テレビで紹介してもらうと、ラクサスへの認知と理解につながるので、PRには力を入れてきたいと思っています。

田岡 テレビCMもスタートされましたよね。
 

児玉 はい。競合も出てきましたので、テレビCMで一気に認知をとっていきたいと思っています。あとは、戦うのは嫌なので、競合になりそうなところに自分のプラットフォームを使ってもらうということも考えています。

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