ビジネスにイノベーションを起こす「思考法」 #34

「北欧、暮らしの道具店」が新規事業を社内ではなく、社外スタッフと始める深い理由

自分が機能できる場所を求めて起業した


田岡 青木さんにとっての会社経営は、何でしょうか。社会実験だったり、ご自身を表現されたりしている場のようにも見えます。

青木 大前提としては、居場所だと思います。先ほどお話ししたように、自分はマイノリティだという意識があって、レディメイド(既製品)の場所には、うまくはまれなかったため、会社をつくったという経緯があります。

田岡 安心できる場所ということでしょうか。

青木 安心というよりも、機能することができる場所ですね。私は抽象的な思考が優位なタイプなので、具象だと使えない人材なんです。

田岡 新入社員は、具象的な業務しかないので、価値が発揮しにくいわけですよね。

青木 そうです。一般的には具象が強い人が成果を出して、抽象レイヤーに上がることが多いですよね。これは、これで戦略なき経営が起きてしまうので問題なのですが、本来は具象と抽象の両方を行き来できる人が望ましいです。

そういう意味では、私は妹の佐藤(クラシコム 取締役 「北欧、暮らしの道具店」店長 佐藤友子氏)と一緒に起業できたことで、初めて機能せしめたわけです。佐藤は具象も得意でどこに行っても必ず成果を出すタイプ。私は彼女がいなければ、おそらく何にもなれていなかったと思います。


 

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