ビジネスにイノベーションを起こす「思考法」 #38

FABRIC TOKYO 森社長がメルカリで学んだ、ユーザーインタビューの大切さ

メルカリ入社も山田社長へのSNSダイレクトメッセージ




田岡 そこは、どんな会社だったのですか。

森 住宅のソーシャルアパートメント事業を手掛けるグローバルエージェンツに5人目の社員として入社しました。今、考えてみると、同社は不動産のD2Cビジネスで物件の運営から集客、顧客管理までをすべて自社で行っていました。そのため、顧客のニーズがすごく分かりやすく、エンゲージメントも高めやすいんです。在籍した2年間でマーケティングから顧客体験価値、カスタマーサービスまで幅広く学びました。

田岡 社員が5人しかいなければ、上流から下流まで担当できますよね。

森 そうです。そのうち自分でやりたい気持ちが強くなって2012年、25歳のときにEコマースを手掛ける会社をつくりました。当時は、スマートフォンが普及し始めたばかりの頃、スマートフォンのアクセサリーを扱うECサイトをつくったり、世界各国のAmazon間の価格比較サイトをつくったりしました。

Amazonの比較サイトは時代が早すぎたのかニーズがなくて、売上はほとんど立ちませんでしたが、スマートフォンのアクセサリーECサイトは、月商数百万円までスムーズに立ち上がり、私一人が食べていける分を稼げるようになりました。

しかし、その先は伸び悩んで、それに自分が5年後も情熱を持って取り組めるイメージが湧かず、自分らしいビジネスは何だろうと、いろいろと悩んでいるうちに、起業家として当時から有名だった山田進太郎さんがメルカリという会社を立ち上げると聞いて、「この人は、どんなことを考えているのだろう」と興味を持ってTwitterで連絡しました。



田岡 また、飛び込みですね(笑)。

森 
そうです(笑)。そして、進太郎さんとお話する機会をいただいて、当時僕が注目していた海外のEコマースサイトの話をしたところ、「君はおもしろいね!」と言われてメルカリにインターンとして採用されました。

田岡 
学生じゃないのに、インターンですか。

森 はい、社会人のインターンです。進太郎さんのすぐ近くで働ける機会なんてないと思って、自分の会社を休眠させて「メルカリにフルコミットさせてください」とお願いしました。

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