ビジネスにイノベーションを起こす「思考法」 #38

FABRIC TOKYO 森社長がメルカリで学んだ、ユーザーインタビューの大切さ

メルカリのインターンで学んだ「ビジネスの楽しさ」


田岡 メルカリでは、何を担当されていたのですか。

森 エンジニアリングを除く全てという感じでした。総務や人事のほか、社長のアシスタントもさせてもらいました。すごくラッキーなことに進太郎さんの隣の席に座らせてもらっていたので、サービスを大きく成長させていく経営者の考え方、特に人、物、金、情報の集め方を学ばせてもらいました。

田岡 最も学んだと感じていることは何ですか。

森 ひとつは、スケールする事業をつくる楽しさ。もうひとつは、情熱的で優秀なメンバーと一緒にサービスをつくる楽しさですね。定性的な要素ですが、今後自分がビジネスをしていく上で大事なものを得たと思っています。

それまでの自分は一人、自宅の机で作業していたのですが、メルカリはプロフェッショナルが集結してディスカッションしながらビジネスをグロースさせていました。

田岡 知的な刺激をたくさん得たわけですね。

森 はい、ひとりの創業者が仮説としてビジネスアイデアを生み出して、そこからいろんな要素をパズルのように当てはめていくんですよね。その中で私が担当して勉強になったのは、ユーザーインタビューです。

少なくとも週に3人はこれから顧客になり得るポテンシャルカスタマーにオフィスに来てもらい話を聞いていました。そこには、進太郎さんも参加していましたね。

田岡 山田社長もインタビューに入るんですか。

森 そうです。創業メンバーがユーザーインタビューにかなりコメットしていました。自分たちの仮説が間違っていないか、意外な事実はないかを探るんです。仮説がなければ、インタビューをしても得られるものが少ないと気づけたのは良かったと思います。



田岡 その他に、学んだことはありますか。

森 やらないことを決めることも学びになりました。メルカリのサービスは当初、出品と購入の機能のみでリリースして、お金を引き出す機能は後から追加したんです。それで初回の引き出し日までリリースから2週間ほどの猶予があったので、その間にお金を引き出せる機能をつくったんです。

田岡 それくらい最短距離を追求するわけですね。

森 そうです。2週間で絶対にこの機能をつくり切れるという算段はもちろん、この機能がなくてもサービスが成立することを見極めて、リリース時には取り組まないという意思決定をする。良いサービスほど機能はシンプルであることも実感して、FABRIC TOKYOでも不要な機能はできるだけ省くようにしています。

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