ビジネスにイノベーションを起こす「思考法」 #45

「そういう奴に、なってほしくない」 DMM.com亀山会長から村中悠介COOへの一言

前回の記事:
DMMがサッカークラブ「シント=トロイデン」買収した理由 村中悠介会長インタビュー
 新規事業の立ち上げやM&Aを積極的に行い規模を拡大、現在40以上の事業を展開しているDMM.com。その最高執行責任者(COO)を務める村中悠介氏の仕事術を解き明かしたインタビューの第一回、サッカークラブ「シント=トロイデン」買収した理由を聞いた第二回に続いて、最終回となる第三回は、村中氏の思考法に迫った。
 

何事もできると思えばできないことはない


田岡 村中さんは、2002年にDMMに入社されて、2011年に取締役就任。現在はCOOとして全事業を見ています。会長の亀山さんに何を信頼されて、今の役割を担っていると思いますか。

村中 
そういうのは、あんまり考えたことがなくて…。強いて言えば、DMMは「まともにやる」をすごく大事にしている会社なんです。

15年ぐらい前にIT全盛期だった頃、世の中に横文字をたくさん使って、自分が一番すごいと思っている人があふれていたんですが、亀山から「そういう奴に、なってほしくない」と言われたことは、覚えています。
村中悠介氏
DMM.com COO(最高執行責任者)兼 DMM GAMES CEO 
1979年北海道苫小牧生まれ。2002年DMM.comに入社。2011年に取締役就任後アミューズメント事業、アニメーション事業など多岐にわたる事業を立ち上げる。2017年11月サッカーベルギー1部リーグ シントトロイデンの経営権取得。2018年6月 COOに就任。40以上ある事業を統括。2019年5月よりDMM GAMES CEOを兼任。。

田岡 「まともに」というのは、信頼をひとつずつ積み重ねて、責任を持って取り組むということですか?

村中 
そうです。そこは、きっちりしていると思っています。特に、私たちのような会社がアニメの世界に参入しましょう、出版社の人と話をしましょうというときは、当たり前ですが、まともに取り組まなければいけないですよね。

勘違いせずにやってきたというのは、あるかもしれません。私は自分に何か特別な優れた能力があるとは思っていませんが、当たり前にやらなければならないことを、やってきたとは思っています。

田岡 
例えば、どういうことでしょう。

村中 
会社にありがちなのが「何かおかしいと思っても、あの事業部長が怖いから言えない」「あそこのセクションは、売上が高いから言いづらい」という状況。僕は、そこにフラットに立ち向かって風通しを良くしたいと思っているんです。なので、積極的に横の連携をとれる環境づくりは、得意かもしれません。

田岡 
個別最適ではなく、全体最適になるようなフェアな風土づくりですか。

村中 
はい。そして、そこには、経済合理的にどっちが得で損なのか、という考えも重要だと思います。

例えば、「エンジニアが10人足りないので、何とかしてください」という相談がくるのですが、その部門に寄せていくよりも、現在の開発を終わらせた方が会社としては得だ、というシーンがあります。

「新規の事業だから10人を回してあげたい」と思うのですが、その気持ちを優先してしまうと会社がおかしくなります。きちんと数字を見ることが根底にあるのが、会社の特徴だと思っています。

田岡 
お互いの部門の連携やフェアな協業を促すために、イベントなど集まりを行なっているのですか。
田岡敬氏
エトヴォス 取締役 COO
リクルート、ポケモン 法務部長(Pokemon USA, Inc. SVP)、マッキンゼー、ナチュラルローソン 執行役員、IMJ 常務執行役員、JIMOS(化粧品通販会社)代表取締役社長を経て、ニトリホールディングス 上席執行役員。2019年1月21日より、エトヴォス 取締役 COO。

村中 
やっているんですが、人数が増えて大変ですね。社員旅行も最後に行ったのが7~8年前ですね。グループ全体で4000人。多いところで、DMM.comが1600人くらいで、ゲームが1000人くらい。さすがに、社員旅行はできないですね。

ミートアップみたいなイベントも社内でするのですが、ただ食べて飲んで終わるような気もしていて、そこはちょっと課題ですね。だから今は、なるべくコーポレート室を通じて、社内の人をもっと知ってもらえる記事をつくって配信しています。

田岡 
社内報的なものですか。

村中 
はい。やっぱり人となりが表に出てこないと。あとは、外のメディアにも出していければと思っています。「事業部長や執行役員は、誰だったっけ」という状況を無くしたいなと。

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録