ビジネスにイノベーションを起こす「思考法」 #番外編01

マーケターの必須スキル 「事象を抽象化して、概念化する力」は、どうすれば身に付く?

想定外のプランを思い浮かびやすくする秘訣


田岡 
上司が変われば、また視点が増えていくわけですね。

音部 
そうです。提案が通りやすくなる、無駄なやり取りが減るといった効果も副産物として得られます。

そして3つ目は、これもある意味バイアスをかけることなのですが、状況を想像することです。例えば、2020年春のキャンペーンのプランニングであれば、今が2020年の秋であると仮定して、「予定の半分しか売れていません、何が起きたのか」、あるいは「倍以上売れています、何が起きたのか」と想像します。

こうした問いかけをすると、どうも脳が違う動き方をするようで、想定外のプランが思い浮かびやすくなります。

また、プランニングをするとき、過去の延長線上で未来を見がちです。2020年のプランニングなら、2018~19年頃を見て、だから20年はこの辺りだろうと予想します。

それはそれで大事なのですが、一方で2020年をいろいろな理想がすべて達成されているはずの2025年からの5年前という視点で見ると、また違った2020年が見えてきます。

どちらも想定としての未来に身を置き、近未来を過去として見るというスキルです。こうしたエクササイズを行うと、また違ったものが見えたりするんです。

※第2回「日本のマーケターも捨てたもんじゃない」に続く
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