ビジネスにイノベーションを起こす「思考法」 #48
ファッションのサブスクで大注目。エアークローゼット天沼社長が語る「顧客価値の根幹」
エアークローゼットのKPIとは何か
田岡 ユーザーの満足度は、配達の回数を重ねてデータが溜まることで上がっていきますか。
天沼 はい、上がっていますね。例えば、お届けしたお洋服は購入も可能なのですが、その購入率は初期に比べると約5倍に上がっています。
田岡 サービスの継続率を上げるためには、まずは初回の満足度が大事になってくると思うのですが、いかがでしょうか。
天沼 その通りです。そこはきちんとデータを見ていますし、UXという観点からも「どういう体験を提供しているのか」をしっかり見るように意識しています。やはりサブスクリプションモデルは最初の3カ月間を続けてもらえると、その後の継続率が高くなります。
田岡 借りた服を気に入ってもらい、買ってもらうことが「airCloset」のゴールなのでしょうか。
天沼 いえ、購入はゴールではなく、あくまでお客さまに「お洋服との最高の出会い」を提供することをゴールとして設定しています。
田岡 そうなると、KPIはどうなるのですか。
天沼 いくつかありますが、ひとつはお客さまからのフィードバックです。レーティングと呼んでいるのですが、今回の3着のコーディネート体験は「4つ星の中でどれですか」と聞いているんです。他のKPIとしては、着用率や未着用率、販売率も確認しています。
田岡 では、レーティングの高いお客さんは、結果的に買い取りも含めてLTVが上がることをすでに検証されているわけですね。
天沼 その通りです。
田岡 「お客さんが満足してレーティングが上がれば、LTVが上がり、会社も幸せになる」と、はっきり言い切れるビジネスはすごく強いですね。