マーケターズ・ロード 紺野俊介 #01
「インターネットの未来に、希望を持ち続けてほしい」―紺野俊介、アイレップ社長退任に寄せて
退任に当たって、創業者の高山雅行さんと話したこと
— 退任にあたり、創業者である高山雅行さんとは、どのような話をされましたか。
まず、「退任という結果になります。申し訳ない」と素直に謝りました。もちろん、いずれ私も誰かに代表を引き継ぐタイミングが来ると思っていました。過去、高山さんに相談したことがあります。そのとき、高山さんからは「基本的には任せる。ただ、アイレップの文化を継承していける人間に引き継いでほしい」と言われていました。
高山さんが、私からの謝罪と報告を受けとめてくれたのは、私のこれまでに対する労いの意味があったということに救われています。
— D.A.コンソーシアムホールディングス、DAC、アイレップのメンバーに、メッセージはありますか。
今後もインターネットの未来に、期待を持ち続けてほしいです。インターネットにはユーザーがいます。そして、そこでユーザーとコミュニケーションをとりたいと考える企業が、私たちのお客さまです。もしかしたら、これまでとは違う新たな風土になるかもしれないけれど、それを決して忘れることなく仕事に向き合ってほしいと思っています。
そして、せっかくこの業界に携わったのならば、インターネットという間違いなく将来に渡って語られるであろう、大きな変革の中に当事者として身を置いていることを誇りに思ってもらいたい。
引き続き広告会社サイド、または事業会社サイドに活躍の場を移す人もいるかもしれませんが、これまでの経験を糧に、自分の理想とするキャリアを形成し、それをいろいろな形で語り継いでいってください。いずれにしても、当事者でい続けてほしいと思っています。
仕事は、真面目にやった人が最後に勝つと思います。ぜひビジネスに真摯に向き合ってほしいです。かつてのインターネット業界といったら、なんだか“チャラついている”イメージだったじゃないですか(笑)。
それが、もはや世の中の基盤事業になりつつあると思うんです。そういう産業に携わっているという矜持をもって、仕事をしていってほしいです。しかし万が一、このタイミングからDAC出身者しか上に行けない組織になるのなら、悲しいことですね。